ナツミ「おじゃましま〜す。」
アム 「そんな他人行儀に声を掛けなくても‥‥‥。」
ナツミ「でも、ここはアムのお気に入りの場所なんでしょ? だったらひとこと言ったほうが良いかなぁ、ってね。」
アム 「ここって屋根の上だから別に気にしなくてもいいわよ。」
(ナツミ、座る)
ナツミ「はあ‥‥‥。とんでもないことに巻き込まれちゃったよね‥‥‥。」
アム 「ナツミは連続して巻き込まれてるんだっけ?」
ナツミ「うん、地球からリィンバウムに召喚されたと思ったら、今度はリィンバウムから『繭世界』だなんて‥‥‥。
なんでこうも巻き込まれてばっかりなのかなぁ‥‥‥。
はぁ‥‥‥。」
アム 「それに関しては私も少しだけ同感かな? 私も面倒ごととかごめんだよ‥‥‥。
はぁ‥‥‥。」
ナツミ「私たち、ため息ばっかりだね。」
アム 「そう言えばそうね、ウフフ。」
アム・ナツミ「あはははは。」
ナツミ「ま、それでも唯一収穫はあったから良いけどね。」
アム 「収穫?」
ナツミ「そう! カシスやアムに出会って友達になれたことだよ!」
アム 「‥‥‥友達?
‥‥‥‥‥‥。」
ナツミ「あ、あれ? 嫌だった!?」
アム 「べっ、別に嫌じゃないよ。
はじめてのことだから、ちょっと変な感じがしただけよ。
友達‥‥‥か。
いいんじゃない? 友達‥‥‥。私のはじめての友達はナツミだね。」
ナツミ「ほっ‥‥‥良かった。
友達だと思ってたのは私だけなの? って思って焦っちゃったじゃん。」
アム 「ごめん、私が変な勘違いさせちゃって。」
ナツミ「ううん、いいんだよ。謝らなくても。 私たち、友達だもんね。
これから、友達としてよろしくね? アム。」
アム 「‥‥‥うん、わかった。」
少し前まではたった一人で生きていたのに‥‥‥。
私には、はじめてできた友達‥‥‥。ありがとう、ナツミ。友達になってくれて‥‥‥。
アム 「そう言えば私、ナツミが『繭世界』に来る前に何をしてたかって詳しく聞いたことないかも‥‥‥。」
ナツミ「そうだっけ?」
アム 「ええ、ナツミが『繭世界』に来る前はリィンバウムってところにいたってことくらいしか聞けてないかも。」
ナツミ「う〜ん、ちょっと複雑なんだよね‥‥‥。
アムには少し話したと思うんだけど、『繭世界』に来る前はリィンバウムに召喚されたんだよね。」
アム 「リィンバウムに召喚ってことは、ナツミのいた世界は別で、そこから召喚されたの?」
ナツミ「うん、学校の帰りに公園に行ったんだけど、気付いたら知らない場所にいたんだよ。
大きなクレーターの中で、周りは一面荒野だった。そこにいっぱい人が死んでて怖かったのを覚えてる。」
アム 「人がいっぱい死んでいた‥‥‥。いったい何があったの?」
ナツミ「私も詳しいことは良くわからないんだよね‥‥‥。
私を召喚しようとした時に事故が起こって、そのせいでみんな死んだんだってカシスが言ってたわ。
その後、スラムのチーム・フラットにお世話になることになって‥‥‥。
バノッサのチーム・オプテュスと敵対して、ひと騒動があったのよ。
その時に、カシスが現れて加勢してくれたのよね。私をリィンバウムに召喚した召喚士だって言いながら。
もう、争いに次ぐ争いって感じで、頭が痛かったわ‥‥‥。」
アム 「なんというか、波瀾万丈って感じね‥‥‥。」
ナツミ「アムもそう思う? 私もそう思うんだ。
でも、私って運がいいみたい。」
アム 「どうしてそう思えるの? こんなに不運続きなのに‥‥‥。」
ナツミ「出会えた人たちがみんな優しいんだもん。みんなに出会えてラッキーだよ。」
アム 「強いわね、ナツミって。なかなかそうは思えないんじゃないかな?」
ナツミ「そうかな? でも、『繭世界』に来た時はけっこう泣いてたじゃない?
アムにもけっこう迷惑掛けちゃったし‥‥‥。」
アム 「ううん、それでもナツミは強いと思う。みんなに会えてよかったね。」
ナツミ「何言ってるの? もちろんアムもそのひとりだよ?
私が泣いてる時はいつも側に居てくれたじゃん。すごく嬉しかったんだよ?
だから私、アムには感謝してるんだ。」
アム 「そう? あんまり自覚ないし、そう言われると‥‥‥。」
ナツミ「ありがとうね? アム。」
ここまで波乱続きだったナツミ‥‥‥。
今を笑って過ごせるなら、私は彼女の友達としてこれからも支えてあげたいと思った‥‥‥。
アム 「」
ナツミ「」
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