情報提供(敬称略):M.S.


謝らせてほしい

ラージュ「今日は、いろいろとがあり過ぎた‥‥‥。
     もう何も考えたくない‥‥‥。」
トウヤ「ああ、本当にここにいたんだね。良かった。」
ラージュ「ト、トウヤ! どうしてここにいるんだよ!?」
トウヤ「アムさんに聞いて来たんだよ。ラージュ君ならたぶんここにいるだろうってね。」
ラージュ「アム‥‥‥余計なことを‥‥‥。
     それで、トウヤは何をしにここまで来たんだ?」
トウヤ「君にも謝りに来たんだ。
    事情があったにせよ、君たちに剣を向けたのは確かだ。
    メルギトスに便乗した形であったけど、力ずくで止めようとして悪かった。
    この通りだ‥‥‥。」
ラージュ「おいおい、頭を上げてくれよ!
     事情が事情だったんだし、あれはしかたないことだったんだ。
     もう済んだことなんだから、もう謝らなくていいよ。」
トウヤ「そうか、そう言ってくれるならあり難い。」
ラージュ「それにしても、まさかメルギトスと一緒に攻撃してくるとは思わなかったよ。」
トウヤ「ははっ‥‥‥。
    僕もまさか宿敵と共に戦うことになるとは思っても見なかったよ‥‥‥。」
ラージュ「宿敵? あんたとメルギトスには何か因縁があるのか?」
トウヤ「ああ、ちょっと込み入った事情があるんだ。 少し長いけどいいかな?」
ラージュ「ああ、大丈夫だ。」
トウヤ「そうかい? それじゃあ、話そうかな?」

(トウヤ、座る)

トウヤ「僕たちのいた時間軸では、マグナたちを手助けする形で 共にメルギトスを封印することになったんだ。
    きっかけは、僕の護衛獣になったモナティって子が、間違ってマグナに召喚されてしまったことなんだ。
    マグナたちが、モナティを僕たちの元に連れて来てくれたんだけどね。
    その後に、マグナたちを追って崖城都市・デグレアの黒の旅団が攻めて来た。」
ラージュ「それって、もしかしてルヴァイドたちの‥‥‥。」
トウヤ「そう、正に攻めて来たのは彼の率いる旅団だった。
    マグナたちははじめ、彼がアメルを狙って攻めて来たのだと思っていたんだけどね‥‥‥。
    ルヴァイドさん‥‥‥残念ながら彼は悪魔に憑りつかれ、正気を失っていた。
    そして、彼に憑りついていた悪魔の主がレイム・メルギトスだった。
    しかし、メルギトスの復活の一端になったのは、僕の相棒であるキールが行った魔王召喚の儀式‥‥‥。
    僕をこの世界に召喚してしまった儀式で開いた門、そこから流れ込んだサプレスの力のせいだったんだ。」
ラージュ「そうだったのか‥‥‥。
     話を聞くと、本当にあんたとあのメルギトスの間には複雑な因縁があるんだなあ‥‥‥。」
トウヤ「そうだね‥‥‥。僕も真相を聞くまえは考えも及ばなかったよ。
    メルギトスが行動し始めた起因は 僕らにあったなんてね‥‥‥。
    だからこそ、僕たちはメルギトスの完全復活と、リィンバウム侵略を阻止するために戦いを挑んだんだ。
    でも‥‥‥僕たちは、結局メルギトスを完全に倒すことはできなくて‥‥‥。
    封印することしかできなかったんだ‥‥‥。
    その時の悔しさもあって、ついムキになって倒そうとしてしまったようだ。
    あれは‥‥‥僕の世界のメルギトスとは違うというのにな‥‥‥。」
ラージュ「ああ、そうらしいな。
     でも、意外だな。」
トウヤ「なにが意外なのかな?」
ラージュ「いや、出会った時からあんたのこと、クールって言うか冷たいヤツだと思ってたんだけどさ。
     意外に熱いところがあるんだなあって‥‥‥。」
トウヤ「‥‥‥そうだろうか?
    まあ、そんなわけでさ。事情があったにせよ、君たちには迷惑をかけた。
    その分、これからは仲間という立場で 君たちを手伝わせてもらおうと思う。
    これからよろしく、ラージュ君。」
ラージュ「あ、ああ‥‥‥。これからよろしく、トウヤ。」

 クールで冷たいヤツだって思ってたけど‥‥‥。
 意外と熱いところがあって、少しだけ打ち解けられそうな気がした‥‥‥。

奇跡の結晶

ラージュ「もう、これで最後なんだな‥‥‥。」
トウヤ「そうだね‥‥‥。
    ラージュ君、ひとつ聞いておきたいことがあるんだけど、いいかな?」
ラージュ「なんだ? トウヤ。」
トウヤ「君はどうして、アムさんのように取り乱さなかったんだい?」
ラージュ「そうだなあ‥‥‥特にこれって理由はないけど‥‥‥。
     強いて言うならマグナがいてくれたからかな?」
トウヤ「マグナがかい?」
ラージュ「ああ、あいつが自分の都合よりも、オレたちを優先して支えてくれたんだ。
     だからその思いに応えたくて、オレもみんなのことを考えて決心できたんだと思う。」
トウヤ「そうか、マグナがね‥‥‥。」

(トウヤ、座る)

ラージュ「って言っても、やっぱまだ怖いんだけどな‥‥‥。」
トウヤ「何となくだけど、今のラージュ君の気持ちもわかるよ。僕も似た経験があるんだ。
    自分の中にある力の正体がわからなくて、不安に押し潰されそうになった時があるんだ。
    そんな時に、キールやチーム・フラットの仲間たちが、何度も僕を支えてくれたんだ。」
ラージュ「そうか、トウヤにもたくさんの仲間がいるんだよな。」
トウヤ「ああ、そうだよ。僕も元の世界にはたくさん仲間がいる。
    隣にいつもいてくれる。
    迷った時には道を示してくれる。
    悩んでいる時には一緒に悩んでくれる。
    そんな仲間がいてくれるからこそ、何度も不安を押し退けることができたんだ。
    ひとりでは無理だと思えたかもしれないことも、仲間と一緒なら乗り越えられるもんだよ。」
ラージュ「なるほどな、やっぱり人との繋がりって 本当にすごんだなぁ。
     トウヤが言う通り、オレもどんな無理難題でも なんとかなりそうな気がするよ。」
トウヤ「だからラージュ君も、けっして最後まで諦めないでいて欲しい。
    今、キールたちが必死になって、君たちが消滅しないですむ方法を探してくれている。
    それだけじゃない。
    仲間たちはみんな君たちが消滅しないようにと、願っているはずだ。」
ラージュ「ああ、わかってるよ。
     だから、オレも最後まで諦めたりしないよ。」
トウヤ「でも、僕はそれほど君たちの事を心配していないんだ。」
ラージュ「それってどういうことだよ?」
トウヤ「奇跡の結晶としてこの世界に生まれた君たちなんだ。
    きっとまた思いもしない奇跡を、起こしてくれるに違いないって、
    僕は信じてるから‥‥‥。
    だから僕は君たちのことは心配していないんだよ。」
ラージュ「そっか、トウヤがそう言ってくれるなら、幸先よさそうな気がしてきたぜ。
     ありがとな、トウヤ。」
トウヤ「だから、これまで培ってきた君と君の仲間たちの絆を信じて‥‥‥勝てよ? ラージュ君。」
ラージュ「ああ、任せておけ! ぜったい勝って見せるぜ!」

 ありがとう、トウヤ‥‥‥。
 トウヤが思い出させてくれた仲間との絆を信じて、ぜったい未来を勝ち取って見せる‥‥‥。

最終決戦

(最終戦前)
ラージュ「オレたちは、消えることにもう怯えたりなんかしない。 たとえ消えてしまっても、みんなの魂に生き続ける!
     魂に強く刻まれた想いはけして消えない。 オレはそれを信じる!!」
トウヤ「お前からリィンバウムを取り返すんだ‥‥‥。
    僕達の世界とそこに住む大切な仲間を、必ず取り返す!」

(最終戦後)
トウヤ「別れは辛いけど、君という心強い仲間に出会えたことを嬉しく思うよ。
    僕は君のことを忘れない。 魂に刻んで、絶対に忘れたりしないよ!」
ラージュ「オレだって‥‥‥! 絶対に‥‥忘れるもんかっ!」

ラージュ「ありがとう‥‥‥。」

エンディング「お疲れさま」

【トウヤの部屋】

トウヤ「はぁ‥‥‥やっと終わった。 やっぱりここに帰ってくると安心するよ。
    我が愛すべき家! だな。」
キール「はは、今日のトウヤはなんだか年寄りくさいな。」
トウヤ「実際、疲れたんだからしょうがないだろ。」
キール「言えてる。 まぁこれも大事な役目だから。」
トウヤ「ああ、リィンバウムを平和に保つためには必要なことだもんな‥‥‥。
    僕の力を必要としてくれている限りは、その期待に応えたいと思うんだ。」
キール「相変わらず真面目だな、君は。」
トウヤ「でもこの場くらいは愚痴らせてくれてもいいだろう?」
キール「ああ、たっぷりと年寄りくさくなるといいさ。」
トウヤ「僕、そんなに年寄りくさいかな‥‥‥。
    よし、グダグダ愚痴るのは終わりにして! 次の目的地は、っと‥‥‥。」
キール「おいおい、もう次の話か? 疲れてるんだから、少しは休めよ。」
トウヤ「でも、気になってしまうんだよ。どこかに困っている人はいないか、ってね。」
キール「やれやれ‥‥‥。
    君の信念は立派だが、そればかりに固執していては身が持たないぞ?
    もっと別のことでも考えて肩の力を抜いてだな‥‥‥。」
トウヤ「ははっ。そういえば同じことを言われたよ。
    肩肘張ってばかりじゃ持たないぞ、ってね。」
キール「へぇ、君にそんな助言をする人もいたんだ。」
トウヤ「ああ。程よく気を抜くことは、生き残るための秘訣らしい。
    ラージュ君から教えてもらったんだ。」
キール「ふむ、なかなかいいことを言うな。 まさに君にピッタリの助言じゃないか。
    それで、ラージュとは一体誰だ?」
トウヤ「‥‥‥え?
    僕‥‥‥そんな名前を口にしてたのか?」
キール「君に素晴らしい助言をしてくれた人物なんだろ。 で、誰なんだ? そのラージって人は。」

トウヤ「(ラージュ‥‥‥ふと口をついて出たらしいその名前に、僕は得も言われぬ懐かしさを覚えた)
    (でも、記憶にもやがかかったみたいで‥‥‥その人が一体誰だったのか、思い出せない)
    (何かとても大切なことを忘れているような気がするんだ‥‥‥)」

 トウヤが言う通り、オレもどんな無理難題でも なんとかなりそうな気がするよ。

トウヤ「君は‥‥‥やっぱり!
    僕はどうして‥‥‥今まで君のことを忘れてしまっていたんだろう!
    情けないよ‥‥‥あの時、忘れないって誓ったはずなのに。
    もしかして僕たちがリィンバウムに戻って来て、全てが元通りに修復し始めたから‥‥‥?
    いや、そんな理由でごまかしちゃいけない。
    君は、僕たちとこの世界を守るために戦ってくれた 大切な仲間なんだから!
    そんな君のことを、僕は‥‥‥!
    ラージュ君‥‥‥君たち3人は今、どうしてる? もしかしてあのまま‥‥‥。
    こちらにいたのでは、君たちの無事さえも分からない。でも、今の僕にはもうどうすることもできないんだ。
    許してくれ‥‥‥僕は君に何もしてあげられなかった。ただ助けてもらうばかりで、君には何も‥‥‥っ!」

キール「トウヤ‥‥‥。」
トウヤ「え‥‥‥? あ、僕は今、何を‥‥‥。」
キール「大丈夫か? その、目から涙が‥‥‥。」
トウヤ「‥‥‥あれ? ホントだ。」
キール「まさか気付いてなかったのか?
    やっぱり疲れてるんだよ、君は。少し休んだ方がいい。」
トウヤ「い、いや‥‥‥大丈夫。これは‥‥‥なんでもないんだ。」
キール「何でもなくはないだろう。心配させるぐらいなら、最後まで心配させてくれ。」
トウヤ「はは‥‥‥ホントに何もないから、気にしないでくれ。
    (キールは大切な僕の仲間だ。だから、僕みたいな想いはさせたくない)
    (この無力感を味わうのは、僕ひとりで充分だ‥‥‥)」

 でも、だからこそ‥‥‥僕は覚えていよう。そちらの世界のこと、君たち仲間のこと。
 たくさんの思い出も、そこで得た絆も、僕だけはけして忘れない!
 想い続ける限り、君たちの存在は なかったことにはならないはずだから。
 消滅を覚悟で僕たちを救ってくれたこと、本当に感謝してるんだ。
 ありがとう‥‥‥君に出会えて、本当に良かったよ。ラージュ君‥‥‥!


ラージュ「オレも同じだよ。トウヤに出会えて良かった。ありがとう‥‥‥!」

トウヤ「え‥‥‥!?
    ‥‥‥はは。なんだ、そうか‥‥‥。」

 きっとそれは、僕の願望が生み出した幻聴だったのだろう。
 だけど、また信じてみてもいいかもしれない。
 奇跡の結晶として生まれてきた彼らが起こす、再びの奇跡を‥‥‥。

 END


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Last-modified: 2018-08-16 (木) 12:06:00