情報提供(敬称略):M.S.


無関心は悪なのか?

イスト「どうして私はみんなから叱られたのだろう‥‥‥。」
ラージュ「何か叱られるようなことでもしたのか?」
イスト「わからない。
    どうして万事に無関心なのかと、みんなが私を責めたんだ。
    そうして無関心だと悪いのだろうか?」

(イスト、座る)

イスト「他人に迷惑を掛けているわけでもなければ、干渉しているわけでもない。
    私は彼らに何もしていないはずなのに、責められる筋合いはないと思うのだが‥‥‥。」

ラージュ「それは‥‥‥。」

思いやりとは?

イスト「なあ、ラージュ。思いやりとはなんだろう?」
ラージュ「また、いきなり難しいことを聞くな‥‥‥。また何かあったのか?」
イスト「この前、ラージュに言われた通り、みんなとコミュニケーションを取ることにしたんだ。
    それなのにどうしてかいつも話をしている途中で、相手を怒らせてしまうんだ。
    彼らが言うには、私の言葉は細剣のように突き刺さる、まるで思いやりが足りない、らしい。」
ラージュ「確かに、イストはいつも思ったことを、ド直球に言ってるからなあ‥‥‥。」
イスト「私は正しいことを感じたまま口にしているだけなのに、それはいけないことなのだろうか?」

ラージュ「オレが思うには‥‥‥。」

心を通わすには

イスト「彼らの話に付き合うのはやはり疲れる。
    ひとつの会話を交わすだけでも、多くの情報を処理しなければならないのはわかる。
    しかし、動物についての情報など私は持ち合わせていないのに、どうして要求されるのだ‥‥‥。」
ラージュ「今度はいったい何があったんだ? イスト。」

(イスト、座る)

イスト「みんなと動物の話をしたのだけど、『繭世界』にはどのような動物がいるのかと聞かれたんだ。
    知っているものを挙げたんだけど、可愛くないだの 格好良くないだのと言われて散々だったよ。」
ラージュ「それは、またイストには荷が重そうな話題だな‥‥‥。」
イスト「だいたい、みんなの好みの動物の傾向は 教えてもらってもいない情報なんだよ。
    そんな不確かな状況で、相手の好みに合った動物の情報なんて教えられるものか‥‥‥。」
ラージュ「イストも変な苦労をしているんだな‥‥‥。」
イスト「人と触れ合うことはどうしてこんなに大変なんだろう?
    この『繭世界』を管理する以上に難しいだなんて思ってもいなかった。」
ラージュ「イストの気持ちもわかる。苦痛に感じるならやめてもいいんだぞ?
     もともと試してみるつもりで始めたんだしな。」
イスト「苦痛かどうかはわからないけど、私には人と触れ合うことに価値が見いだせないんだ。
    もうこれ以上、続けてもしかたないだろう。」
ラージュ「そっか‥‥‥。
     寂しいけど、イストがそう判断するんだったら、無理に続けろなんて言えるわけがない。
     後はイストが自分で判断するしかない。」
イスト「‥‥‥‥‥‥。
    わかった、そうさせてもらうよ。」
ラージュ「‥‥‥イスト‥‥‥。」

 最後の最後まで、オレたちは わかり合うことができなかったのだろうか‥‥‥。
 去り際のイストの背中に寂しいと感じてしまった‥‥‥。

最終決戦

(最終戦前)
ラージュ「オレたちは、消えることにもう怯えたりなんかしない。
     たとえ消えてしまっても、みんなの魂に生き続ける!
     魂に強く刻まれた想いはけして消えない。 オレはそれを信じる!!」
異識体「ギシギシリリッ! 小癪ナゴミ共メ! 苦シミナガラ喰ワレルガイイ!」
ラージュ「お前に世界を好きにはさせるかよぉぉぉ!!」

(最終戦後)
ラージュ「‥‥‥‥‥‥。」
イスト「くくっ‥‥‥くふふっ。」
ラージュ「‥‥‥イスト?」
イスト「くはは‥‥‥はははははっ!」
アム「ちょっと‥‥‥どうしちゃったの?」
イスト「さあ―――最後の仕上げだ。」
フォルス「えっ‥‥‥!」
(イスト、糸を操ってアムを縛る)
アム「きゃあっ!? なに、これ!」
ラージュ「イスト‥‥‥お前のしわざなのか!?」
イスト「そうだよ。」
フォルス「どうしてこんなことを!?」
イスト「分からないのかい?
    『異識体』が消滅した時点で、後継者の私が、
    全てを引き継ぐことになるのは道理だろう?」
マグナ「な!?」
ナツミ「まさか、貴方‥‥‥!」
イスト「‥‥‥これで私の存在を脅かすものはいなくなった。
    長かった『管理者』の立場も、ようやく終わる。
    君たちには私が何を抱えて生きてきたのかなんて、理解できないだろうね。
    あのままだと私は確実に『異識体』の餌と化していた。
    後継者なんて、餌を肥えさせるための方便なのだよ。
    いつ喰われるともしれない恐怖‥‥‥。
    何も知らず、自由気ままに生きてきた君たちに想像できるかい?」
ラージュ「そ‥‥‥れは‥‥‥っ!」
レックス「だから俺たちに『異識体』を倒させたって言うのか?」
イスト「そのとおりだよ。」
ライ「ちくしょう‥‥‥じゃあハナっからオレたちのこと、だましてたのかよ!?」
アルカ「信じてたのに‥‥‥!」
ラージュ「嘘だろ、イスト!? オレたちは、わかりあえたんじゃないのかよ!?」
イスト「‥‥‥わからないよ。
    わからなかったんだ。結局、
    最後まで君たちのこと‥‥‥わからなかったんだ。
    わかりたかったけれど‥‥‥わからなくて、
    だから、ウソをついて‥‥‥苦しくて‥‥‥。
    だから、いらない! 消去するんだ!!
    全てなかったことにしてしまえば―――。」
フォルス「やめろ‥‥‥イスト! 本当の君はそんなことを望んじゃいないんだろう?
     ラージュとアムを見守って、
     『異識体』の成長を、ひとりで食い止めていたじゃないか。
     君はもっと心の優しい‥‥‥!」
イスト「黙レ!」
(イスト、糸を操る)
フォルス「がぁっ!?」
ラージュ「フォルスはずっとイストの側にいてくれたじゃないか。
     それを忘れたっていうのかよ!?」
アム「魂に刻まれた想いは―――。」
イスト「黙レェェ!」
(イスト、糸を操り攻撃する)
アム「きゃ‥‥‥あ、あ‥‥‥。」
ナツミ「アム!
    いやあああああああっ!」
ラージュ「あぁ‥‥‥イスト‥‥‥なんてことをっ!!」
ルヴァイド「イスト! 貴様、仲間を‥‥‥ッ!」
(イスト、糸を操り攻撃する)
ルヴァイド「ぐ‥‥‥あぁ‥‥‥っ。」
イオス「ルヴァイド、さ‥‥‥っ!」
(イスト、攻撃する)
ナツミ「もうやめてぇぇぇぇ!」
ラージュ「く‥‥‥そぉっ!」
(ラージュ、槍を構えるものの、直ぐにおさめる)
ラージュ「‥‥‥っ! オレには、出来ない‥‥‥。」
イスト「くくく‥‥‥キシッ、キシシシ‥‥‥ッ。
    ワカラナイ‥‥‥私は、永遠に‥‥‥ツナガレナイ!
    これしかないんダ‥‥‥もウ‥‥‥これしカアァァァッ!!」
ラージュ「あああああっ!」
(イスト、糸を操り攻撃する)
ラージュ「がぁっ!?」

(イスト、攻撃し続ける)

(ひとしきり嗤った後、左目から血の涙が伝う)

 ああ、こんな想いなんて―――知りたくなかった!!

 END


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Last-modified: 2020-01-17 (金) 02:14:03