情報提供(敬称略):湧上

第1話

フォルス「ふう‥‥‥ やっぱり、ここは落ち着くなあ」
スピネル「兄さま? やっぱり、そこにいたんですか
    もう‥‥‥屋根の上は危ないから、 大家さんに禁止されているはずですよ?」
フォルス「スピネルも来なよ、 風が気持ちいいぞ」
スピネル「またそうやって、わたしを 共犯者にしようとするんだから‥‥‥」

スピネル「わあ‥‥‥ 気持ちのいい風
    それに、優しい月の光 一日の疲れがとれていきます
    ‥‥‥兄さまは覚えていますか? 初めてここの屋根に登ったときのこと」
フォルス「覚えてるよ、あの時は大家さんに見つかって しこたま怒られたっけ」
スピネル「あれから何年も経ったのに、 兄さまは変わりませんよね」
フォルス「スピネルは、変わったよな 初めて会った時にはあんなに小さかったのに」
スピネル「見た目はそうかもしれませんけど でも‥‥‥
    わたしも、変わってません! あのころからずっと、わたしは、その‥‥‥
    これまでも、これからも、 兄さまを大好きなわたしのままです!」
フォルス「‥‥‥そっか
    二人そろって成長がないっていうのは、 考えものではあるけれど
    ま、いいか 改めて、これからもよろしく、スピネル
    なんとなく、明日からまた 大変なことになりそうな予感がするし
    何があっても、力をあわせて 乗り切っていこうな?」
スピネル「は、はいっ!
    任せてください、いつでもいつまででも、 兄さまのそばで力になり続けますっ!」
フォルス「うん、信頼してる」
スピネル「‥‥‥えへへ
    そ、それじゃ、わたし、 先に休ませてもらいますね
    兄さまも、あまり遅くならないように 降りてきてください
    それでは、おやすみなさい」

おやすみ‥‥‥ そして、また明日‥‥‥

第2話

フォルス「今日は残念だったね 記憶、取り戻せたかもしれなかったのに」
スピネル「‥‥‥いいんです そんなに期待もしてませんでしたし
    これまでにも、 いろいろ試してみたんですよ?
    サプレスのことについて書かれた本を たくさん読んでみたり
    学園では、クラスメイトのみんなから いろいろ話を聞いてみたりもしましたし」
フォルス「うん、知ってる がんばってたよね」
スピネル「それでも、何も思い出せませんでした わたしの記憶って、そのくらいガンコなんです
    だから、長期戦の覚悟なら とっくにできてるんですよ
    それに、昔のことなんて思い出せなくても、 今、わたし、とても幸せです
    兄さまと一緒に暮らせてるだけで、 わたし、けっこう満足なんです
    だから‥‥‥このままでも、いいんです」
フォルス「うん‥‥‥」

強がりを言ってはいるけど、 やっぱり気にしてるんだろうな‥‥‥

第3話

スピネル「あ、あのね、兄さま わたし、思うんです
     誰だって、失敗くらいする‥‥‥ううん、失敗を乗り越えるから魂は輝くんだって」
フォルス「‥‥‥なんだ、いきなり」
スピネル「え? あ、ええと、その‥‥‥今日のこと、気にしてるのかなって
     兄さま、なんだかんだいって、これまで任務の失敗なんてほとんどありませんでしたし」
フォルス「‥‥‥ああ、なるほど 励ましてくれてるのか
     大丈夫だよ、そんなにへこんでるわけじゃないから」
スピネル「‥‥‥本当ですか?」
フォルス「本当さ ちょっと考え事はしてたけどね
     僕はまだ未熟者なんだなあとか、まだまだエルストさんは遠いなあとか」
スピネル「‥‥‥わたしも、ガウディさんみたいには まだまだなれそうにないです‥‥‥」
フォルス「お互い、高い目標を持っちゃったものだよね」
スピネル「でも、諦めない‥‥‥んですよね?」
フォルス「ああ、もちろんさ 明日からもまた、がんばらないとね
     今日の失敗を取り戻して、すぐその先を目指さないと
     一緒に頑張ろうな、スピネル」
スピネル「‥‥‥はいっ!」

‥‥‥そうだ、落ち込んでるヒマなんてない 僕はスピネルと一緒に頑張るんだ‥‥‥!

第4話

スピネル「今日はのんびりできると思ったのに、ふたを開けてみたら大変な一日でしたね
     学園に呼ばれてみたり、機械兵器が襲ってきたり‥‥‥
     書類の前で兄さまが泣いていたのが、遠い昔のことみたいです」
フォルス「まったくだよ、今日はほんとに疲れた
     だいたい、召喚師の仕事っていうのは 異種族間のもめごとを解決とか予防することで
     ああいった連中と正面からやりあうのは専門外だと思うんだけどなあ‥‥‥」
スピネル「そうですよね‥‥‥もっと穏やかなおしごとのほうがいいです
     でも、おしごとのえり好みとかしていたら、エルストさんたちには追いつけないですよね
     あの日、エルストさんたちは、何も言わず わたしたちを助けてくれたんですし‥‥‥」
フォルス「‥‥‥うん、確かにそうだね
     戦いが向こうからやってくるんだから、愚痴を言ってても仕方がないか」
スピネル「はい!」
フォルス「よし! そうと決まったら、明日のために寝るぞ
     明日もきっと、忙しい一日になる! そんな気がする!」
スピネル「‥‥‥心配になりました、兄さまのそういう勘は、よく当たりますから‥‥‥」

‥‥‥こんなことを言っておいてなんだけど、どうか明日が穏やかな一日でありますように

第5話

スピネル「今日は、びっくりしました ルエリィさんが誓約してしまうなんて」
フォルス「まったくだよ、あの子はつくづく、僕らの予想を裏切ってくれるなあ
     うかうかしてたら、すぐに追い抜かれるかもしれないね?」
スピネル「そうですね‥‥‥ちょっとだけ怖いです
     憧れる人っていう目標を持つことが大切なことは、とてもよく知ってますし‥‥‥」
フォルス「僕らにとってのエルストさんたちがルエリィにとっての僕たちってことか
     光栄なんだけど、なんだかむずがゆいね」
スピネル「ルエリィさんの気持ちは、たぶん、それだけじゃないですし‥‥‥
     今後も兄さまに向かって一直線ですよ、あのひとは」
フォルス「あはは、頼もしいな」
スピネル「‥‥‥取られちゃったりしないでくださいね?」
フォルス「え? なに?」
スピネル「な‥‥‥なんでもありません! もう寝ます!」

昔から、ルエリィの話をするとスピネルの様子がおかしくなるんだよな‥‥‥

第6話

スピネル「なんだか‥‥‥最近、ぜんぜんお菓子を作れてない気がします」
フォルス「そういえば、そうだなぁ‥‥‥先月の、めちゃくちゃ甘いケーキ以来だっけ?」
スピネル「むっ! ケーキが甘くて、何が悪いんですかっ!」
フォルス「いや、あれはちょっと 度が過ぎてたような‥‥‥
     買ってきた砂糖の袋、まるまるひとつ使ってただろ?」
スピネル「あれでいいんです! 甘いものは頭や体の疲れにもいいんです!」
フォルス「でも、僕はもうちょっと、甘さがひかえめのほうが好みかな」
スピネル「むっ‥‥‥ むうううっ‥‥‥
     仕方がありません‥‥‥ わかりました‥‥‥」
フォルス「ん?」
スピネル「こうなったら、意地でも兄さまに、わたしのケーキを認めてもらいます!
     旅は道連れで料理は愛情だって、以前読んだ料理書に書いてありました!
     愛情はすっごく注いでありますから、あとは味に慣れてもらうだけなんです!」
フォルス「え? ‥‥‥料理は愛情って、そういう意味なの?」
スピネル「覚悟してくださいね、兄さま! わたし、負けませんから!」
フォルス「え? 何時の間に、勝負ごとに‥‥‥?」

一度こうなったスピネルは止まらないからなあ‥‥‥
またしばらく、体重計から逃げ回る毎日になりそうだ

第7話

スピネル「ギフトさんとエルストさんのことは、兄さまがよく話してくれたから
     一方的にですけど、よく知ってるような気がしてたんです
     だから、今日、ギフトさんが初対面のわたしに友人として接してくれた時は、嬉しかった
     ‥‥‥本当に、嬉しかったんです」
フォルス「彼に、何があったんだろう?」
スピネル「ギフトさんのことを一番よく知ってるのは兄さまだと思います
     兄さまに分からないなら、きっと、世界の誰にも分かりません」
フォルス「そう‥‥‥だよね
     次に会った時に、本人に問いただすしかないか」
スピネル「そう、ですね‥‥‥きっとまたわたしたちの前に現れますから
     その時こそ、ちゃんと捕まえて、ゆっくりお話をしましょう」
フォルス「ああ、そうだな」

きっと、それが、彼の友達として僕がするべきことなんだな‥‥‥

第8話

スピネル「‥‥‥」
フォルス「‥‥‥」
スピネル「今日は‥‥‥ちょっと、いろいろ起こりすぎて、疲れましたね‥‥‥」
フォルス「ああ‥‥‥頭の中が、ぐるぐるしているよ
     まさか、本当に学園が襲撃を受けるなんて‥‥‥」
スピネル「改めて、恐ろしいひとたちが敵なんだなって思います
     予想を超えたことをしてくる相手には、備えることも難しいですし‥‥‥
     ‥‥‥それに、ギフトさんが‥‥‥」
フォルス「そうだね 彼も、恐ろしい敵の一人だ」
スピネル「わたしたちで、止められるでしょうか?」
フォルス「僕たちが、止めるんだ それだけだよ」
スピネル「‥‥‥はい、そうですね!」

止めないと、いけないんだ‥‥‥!

第9話

スピネル「星になりたい‥‥‥」
フォルス「ど、どうしたのスピネル、いきなり妙なこと言い出して!?」
スピネル「だって、星になれば、これ以上兄さまに迷惑かけずにすみますし
     毎晩、こうして見守ることはできますから寂しくもないですし」
フォルス「いや、それはやめてほしいな 遺された僕が寂しいから」
スピネル「でも、今日の失敗は、本当に自分のことが情けなくて‥‥‥」
フォルス「確かに、ちょっと大変だったし、これからのことに不安もあるけど‥‥‥
     スピネル、ちょっと手を出して」
スピネル「え? あ、はい‥‥‥ きゃっ!?」
フォルス「やっぱり、スピネルには、こうして手をつなげる距離にいてほしい
     次にこの暖かさがほしくなった時、星まで手を伸ばさないといけなくなるからね」
スピネル「わ‥‥‥わかりました、兄さまがそこまで言うなら、仕方ありません
     星になるのはやめて、ずっと兄さまのそばにいます」
フォルス「うん、ありがとう」

ずっと一緒にいたい‥‥‥本当に、そう願うよ

第10話

スピネル「兄さま 考え事ですか?」
フォルス「うん‥‥‥今日、エルストさんに言われたことについて、ね」
スピネル「信じて戦うということが間違いだっていう、あれですか?」
フォルス「僕たちは、何を信じて、何のために召喚師を目指してたんだろうね
     エルストさんの言葉に憧れて、あの人みたいになりたくて‥‥‥
     なのに、当の本人にあんなことを言われたらさ
     これからどうしたらいいのか、わからなくなるよね‥‥‥」
スピネル「そうですか?」
フォルス「えっ?」
スピネル「確かにショックでしたけど、兄さまが言うほどには‥‥‥
     わたしが最初に信じたのは、エルストさんじゃなくて、兄さまです
     信じることの大切さを教えてくれたのも、そのあとずっとそばにいてくれたのも、
     他の誰でもない 兄さまなんですよ?」
フォルス「スピネル‥‥‥」
スピネル「兄さまも、元気を出してください
     エルストさんの言っていたことは、もしかしたら間違っていたのかもしれません
     でも、兄さまが言っていた兄さまの言葉は、絶対に間違ってなんていないんです
     そのことは、わたしが保証します だから、わたしを信じてください
     ‥‥‥ほら、これからどうしたらいいのか、これでわかったでしょう?」
フォルス「‥‥‥そっか‥‥‥ そうだよね‥‥‥」

今の僕が、何を信じるべきなのか‥‥‥ 簡単なことじゃないか
ありがとう、スピネル 大事なことを、思い出せたみたいだよ

第11話

スピネル「ソウケンさん、腕は本当に大丈夫なんでしょうか‥‥‥」
フォルス「本人は気にするなって言ってたけど、やっぱり気になるよね‥‥‥
     シルターンの妖怪の血が混じっているぶん、ふつうの人間よりは丈夫らしいけど
     それにしたって、限度ってものがあるだろうし‥‥‥」
スピネル「‥‥‥」
フォルス「どうしたの、スピネル?」
スピネル「えっ、あ、その、ちょっと、別のこと、考えちゃってました
     血が混じっているってことは、昔も種族違いの恋とか、あったんですよね?
     こんなときですけど、なんだかそういうのってあこがれちゃうな、って」
フォルス「ああ、興味があるなら、今度、カズラマルさんに直接聞けばいいよ
     ソウケンの先祖で、人間の嫁をめとった大妖怪、当の本人だから」
スピネル「‥‥‥あのおじいさんですか‥‥‥ ロマンティックが遠のきました‥‥‥
     もういいです、異種族間ロマンスは自分で体験することにします」
フォルス「そう? 残念だな、血わき肉おどる大冒険活劇なのに」
スピネル「恋物語で大冒険しちゃうようなおじいさんだから、いやなんです!」

あれ、そういえばスピネル、いま、ロマンスを自分で体験するって‥‥‥
誰か、好きな男の子でもできたのかな? ‥‥‥いや、まさか、ね‥‥‥

第12話

スピネル「結局、わたしって何だったんでしょう‥‥‥
     サプレスの天使、だと信じてこれまで生きてきましたけど
     あの白い荒野はサプレスではなかったわけですし、
     わたしの正体は‥‥‥その、あの不思議な光だった‥‥‥わけですよね
     ‥‥‥」
フォルス「やっぱり、不安かい?」
スピネル「よく、わかりません‥‥‥
     もちろん、不安ではあるんです けれど、それだけじゃない
     ああ、やっぱり、っていう気持ちも少しだけあるんですよ
     これまで一生懸命、自分のことについて調べたけど何もわからなかった
     天師さんにお願いして、杖の力を使っていただいたときも、からぶりでした
     だからわたし、心の奥では、自分のことを疑っていたのかもしれません
     サプレスの天使なんかじゃない、もっとわけのわからないナニカなんだって」
フォルス「それだけじゃないだろ?
     スピネルは、僕の誰よりも大切な妹で、心の底から頼れる響友だ
     それをスピネル自身がちゃんとわかっているから、
     わからないことが少し増えても自分を見失わなかったりしないんだよ」
スピネル「‥‥‥そうでしょうか‥‥‥」
フォルス「そうだよ、僕の妹は強い子だからね」
スピネル「ふふっ‥‥‥兄さまがそう言うなら、きっと、そうなんでしょうね
     なんだか、ちょっとだけ、自分に自信を持てそうな気がしてきました
     よおし、明日からも任務、たくさんがんばっちゃいますよ!」

スピネル‥‥‥強がってるけど、やっぱり辛そうだな‥‥‥

第14話

好感度4・5
スピネル「長い戦いでしたけど、もうすぐ、全部終わるんですよね」
フォルス「ああ‥‥‥ようやく、だな
     僕たちが子どものころには、もう始まっていた戦い
     僕たちが出会ったことも、この戦いの一部だった‥‥‥んだっけ」
スピネル「それを言うなら、わたしが生まれたこと自体も、ですよ
     わたしがわたしとして生きてきたこれまでの時間のすべては、この戦いの一環だったんです」
フォルス「‥‥‥悔しいとか、思ってる?」
スピネル「正直を言えば、少しだけ でも、心配はいりません
     わたしを信じてくれている人たちがいる限り、ちゃんと最後まで勇気をもって戦いますっ!」
フォルス「じゃあ、その後の話をしようか」
スピネル「あと‥‥‥ですか?」
フォルス「君が君として生きてきたこれまでの時間のすべてが、戦いの一環だった‥‥‥なら、
     戦いが終わった後の時間を全部、このまま僕がもらってもいいかな」
スピネル「‥‥‥ええと、それは、どういう‥‥‥?」
フォルス「いまさらだけど、言っておかないといけない大切な言葉を思い出したんだよ
     僕は君が好きで、これからも一緒にいたいと思ってる
     そして、君も同じ気持ちでいてくれてると、自信過剰かもしれないけど、勝手に信じてる
     どうかな?」
スピネル「‥‥‥ずるいです、わたしがどう答えるのか、わかってて聞いてるんじゃないですか」
フォルス「それでも答えを言葉でほしくなる時はあるものなのさ」
スピネル「大好き、です 他の誰よりも
     妹としてではなく、一人の女の子として、兄としてではなく、一人の男の人のあなたを
     これからずっと‥‥‥二人の魂が転生の輪に溶けるその日まで、一緒にいたいです
     ‥‥‥あうう、ゆで天使になりそうです
     あの、これでいいんでしょうか?」
フォルス「‥‥‥」
スピネル「て、照れて目をそらすくらいなら、最初から言わせないでくださいっ!?
     だいたいお兄さまは、わたしに対して意地が悪すぎるんですっ!
     わたしがこんなに大好きなのに、他のひとばっかりに優しくしてっ!
     イェンファさんとか、ルエリィさんとか、シーダさんとか、あとフローテとかっ!」
フォルス「そんなにあちこちにイイ顔した覚えはないけど‥‥‥」
スピネル「だったら、きっと生まれつきイイ顔なんです! 本人に覚えがなくても関係ありません!
     だから‥‥‥その‥‥‥ずっととは言いませんから、
     これからは、できるだけ、わたしのほうを見てくれると、
     うれしい‥‥‥です‥‥‥」
フォルス「恥ずかしがるくらいなら、言わなければいいのに」
スピネル「言わせてるのは誰ですかっ!」

明日は、最後の決戦だ 何が起こるのか、想像もつかないけど‥‥‥
僕たちは、必ず生きて帰ってくる そして、一緒にこれからの時間を過ごすんだ
僕ら二人の心が響き合い選び取った、他の誰も仕組んだものでもない、
そういう二人の時間を‥‥‥



好感度3
スピネル「長い戦いでしたけど、もうすぐ、全部終わるんですね」
フォルス「ああ‥‥‥ ようやく、だな
     僕たちが子どものころには、もう始まっていた戦い
     僕たちが出会ったことも、この戦いの一部だった‥‥‥んだっけ」
スピネル「それを言うなら、わたしが生まれたこと自体も、ですよ
     わたしがわたしとして生きてきたこれまでの時間のすべては、この戦いの一環だったんです」
フォルス「‥‥‥悔しいとか、思ってる?」
スピネル「正直を言えば、少しだけ でも、心配はいりません
     わたしを信じてくれている人たちがいる限り、ちゃんと最後まで勇気をもって戦いますっ!」
フォルス「じゃあ、その後の話をしようか」
スピネル「あと‥‥‥ですか?」
フォルス「君が君としてう動いてきたこれまでの時間のすべてが、戦いの一環だった‥‥‥なら、
     戦いが終わった後の時間を全部、このまま僕がもらってもいいかな」
スピネル「‥‥‥ええと、それは、どういう‥‥‥?」
フォルス「いまさらだけど、言っておかないといけない大切な言葉を思い出したんだよ
     僕は君が好きで、これからも一緒にいたいと思ってる
     そして、君も同じ気持ちでいてくれてると、自信過剰かもしれないけど、勝手に信じてる
     どうかな?」
スピネル「‥‥‥ずるいです、わたしがどう答えるのか、わかってて聞いてるんじゃないですか」
フォルス「それでも答えを言葉でほしくなる時はあるものなのさ」
スピネル「大好き、です 他の誰よりも」
フォルス「‥‥‥」
スピネル「て、照れて目をそらすくらいなら、最初から言わせないでくださいっ!?
     だいたいお兄さまは、わたしに対して意地が悪すぎるんですっ!
     わたしがこんなに大好きなのに、他のひとばっかりに優しくしてっ!
     だから‥‥‥その‥‥‥ ずっととは言いませんから、
     これからは、できるだけ、わたしのほうを見てくれると、
     うれしい‥‥‥です‥‥‥」
フォルス「恥ずかしがるくらいなら、言わなければいいのに」
スピネル「言わせてるのは誰ですかっ!」

明日は、最後の決戦だ 何が起こるのか、想像もつかないけど‥‥‥
僕たちは、必ず生きて帰ってくる そして、一緒にこれからの時間を過ごすんだ
僕ら二人の心が響き合い選び取った、他の誰の仕組んだものでもない、
そういう二人の時間を‥‥‥

ED

好感度4・5
フォルス「ふあ‥‥‥あふう こんな時間に起きると、さすがに眠いな
     二度寝したいところだけど、そういうわけにもいかないかな
     ちょっと、目を覚ましに行ってくるか‥‥‥」

フォルス「おおー‥‥‥ こりゃ、いい眺めだ
     そういえば、こんな時間にここに来たことはなかったっけな
     ちょっと時間を変えただけなのに、見慣れた光景が、新鮮に見えるなぁ‥‥‥」
スピネル「あふ‥‥‥ 何をしてるんですか、兄さま
     もうすぐ、出発の時間ですよ? ぐずぐずしていると、列車に乗り遅れます」
フォルス「そんなに焦るなって、この街との名残を惜しんでるんだ
     ほら、スピネルもこっちに来なよ いい眺めだぞ?」
スピネル「もう、なんでそんなにのんきなんですか
     これからこの街を出て、遠くに行かなきゃいけないって時に」
フォルス「だからこそ、今のうちにセイヴァールを堪能しておくんじゃないか
     大好きな街だから、これからどこに行っても、この風を忘れないように、さ」
スピネル「むー、なんだか格好いい言葉で言いくるめられてるような気もしますけど
     ‥‥‥わあ、本当に、いい景色」
フォルス「だろ?」
スピネル「あの‥‥‥ライル機関、でしたっけ わたしたちを呼んでいる組織の名前
     これからの冥土の脅威に対抗するため、わたしたちの力を研究したいっていう‥‥‥」
フォルス「ああ、ロレイラル出身の研究者が 大勢いるところらしいね
     きっと、僕たちの力から、何かをつかんでくれるよ」
スピネル「ほかにも、いろいろな組織から声をかけられていましたよね?」
フォルス「ああ、全部に力を貸して回るんだから これからも忙しいぞ?」
スピネル「寂しくは、ないんですか?
     この‥‥‥素敵な景色の、思い出もたくさんある街を離れて、
     どこか遠くの、知らない場所に行かなきゃいけないなんて‥‥‥」
フォルス「寂しいよ 心細くもあるかな
     なにせ僕だって、故郷の村とセイヴァール以外はほとんど知らないからね」
スピネル「だったらっ!」
フォルス「でも、スピネルがそばにいてくれる
     これからも、ずっと一緒にいてくれる それだけで、僕はどこにでも行けるよ」
スピネル「あ‥‥‥」
フォルス「君は、どうかな? 一緒にいるのが僕じゃ、不安?」
スピネル「それは‥‥‥ そ、その質問は、ずるいです!
     わたしが、兄さまにそんなふうに聞かれたら、答えなんてひとつしかないじゃないですか!
     兄さまと一緒なら、たとえ火の中水の中、
     霊界の奥底のさらに底までであっても何の不安もありません!」
フォルス「あはは、ありがと、さすがにそんなところに行く予定はないけどさ」
スピネル「‥‥‥兄さまは、いつもそうです わたしの気持ちを、笑って受け止めてしまう
     好きって言葉にするたびに わたしがこんなにドキドキしてるのに、」
フォルス「僕だって、落ち着いてるわけじゃないよ こう見えても、けっこう焦ってるんだ」
スピネル「いつもと同じ顔でそんなこと言われても、ぜんぜん説得力ありません」
フォルス「ほんとなんだけどな‥‥‥」
スピネル「むう‥‥‥
     じゃあ、ちょっとだけかがんでもらえますか?」
フォルス「え? まあ、いいけど‥‥‥」
スピネル「えいっ」
(ちゅっ)
フォルス「‥‥‥っ!?」
スピネル「えへへ、キス、しちゃいました どうですか、びっくりしましたか?」
フォルス「あ‥‥‥うん‥‥‥」
スピネル「ふふっ、今の兄さまを見たら、ちょっとだけすっきりしました
     改めて‥‥‥お礼を言わせてください」
フォルス「お礼?」
スピネル「初めて会った時、あの光の中から「わたし」というカタチを見出してくれた
     おかげでわたしは、天使の女の子として素敵な男の人に恋ができました
     この幸せは、すべて最初に兄さまが「わたし」を女の子にしてくれたおかげです」
フォルス「なるほど‥‥‥確かに、そういうことになるのか‥‥‥」
スピネル「もっとも、わたしがたとえ何として生まれていたとしても、
     必ず兄さまのことを大好きになっていたと思いますけど」
フォルス「‥‥‥スピネル」
スピネル「さ、おしゃべりはこのくらいにして、そろそろ急ぎましょう?」

わたしがここにいるということ 生きて、考えて、動いているということ
すべての始まりは、兄さまとの出会いだった
名前も、姿も、生命も、すべて兄さまにもらった
もし、あの日あの時、兄さまがわたしという存在の前に落ちてこなかったら
わたしはいまごろ、何になっていたんだろう?
考えれば考えるほど、怖くなってしまう そして同時に、感謝の気持ちで満たされていく
兄さま‥‥‥ わたしと出会ってくれて、ありがとう
わたしを形作ってくれて、ありがとう わたしと一緒に歩んでくれて、ありがとう

「わたしと響き合ってくれて、今、この時をくれて、本当に、ありがとう 大好きです‥‥‥兄さま」



好感度3
フォルス「ふあ‥‥‥あふう こんな時間に起きると、さすがに眠いな
     二度寝したいところだけど、そういうわけにもいかないかな
     ちょっと、目を覚ましに行ってくるか‥‥‥」

フォルス「おおー‥‥‥ こりゃ、いい眺めだ
     そういえば、こんな時間にここに来たことはなかったっけな
     ちょっと時間を変えただけなのに、見慣れた光景が、新鮮に見えるなぁ‥‥‥」
スピネル「あふ‥‥‥ 何をしてるんですか、兄さま
     もうすぐ、出発の時間ですよ? ぐずぐずしていると、列車に乗り遅れます」
フォルス「そんなに焦るなって、この街との名残を惜しんでるんだ
     ほら、スピネルもこっちに来なよ いい眺めだぞ?」
スピネル「もう、なんでそんなにのんきなんですか
     これからこの街を出て、遠くに行かなきゃいけないって時に」
フォルス「だからこそ、今のうちにセイヴァールを堪能しておくんじゃないか
     大好きな街だから、これからどこに行っても、この風を忘れないように、さ」
スピネル「むー、なんだか格好いい言葉で言いくるめられてるような気もしますけど
     ‥‥‥わあ、本当に、いい景色」
フォルス「だろ?」
スピネル「あの‥‥‥ライル機関、でしたっけ わたしたちを呼んでいる組織の名前
     これからの冥土の脅威に対抗するため、わたしたちの力を研究したいっていう‥‥‥」
フォルス「ああ、ロレイラル出身の研究者が 大勢いるところらしいね
     きっと、僕たちの力から、何かをつかんでくれるよ」
スピネル「ほかにも、いろいろな組織から声をかけられていましたよね?」
フォルス「ああ、全部に力を貸して回るんだから これからも忙しいぞ?」
スピネル「寂しくは、ないんですか?
     この‥‥‥素敵な景色の、思い出もたくさんある街を離れて、
     どこか遠くの、知らない場所に行かなきゃいけないなんて‥‥‥」
フォルス「寂しいよ 心細くもあるかな
     なにせ僕だって、故郷の村とセイヴァール以外はほとんど知らないからね」
スピネル「だったらっ!」
フォルス「でも、スピネルがそばにいてくれる
     これからも、ずっと一緒にいてくれる それだけで、僕はどこにでも行けるよ」
スピネル「あ‥‥‥」
フォルス「君は、どうかな? 一緒にいるのが僕じゃ、不安?」
スピネル「それは‥‥‥ そ、その質問は、ずるいです!
     わたしが、兄さまにそんなふうに聞かれたら、答えなんてひとつしかないじゃないですか!
     兄さまと一緒なら、たとえ火の中水の中、
     霊界の奥底のさらに底までであっても何の不安もありません!」
フォルス「あはは、ありがと、さすがにそんなところに行く予定はないけどさ」
スピネル「‥‥‥‥‥‥」
フォルス「どうかした、スピネル?」
スピネル「改めて‥‥‥お礼を言わせてください」
フォルス「お礼?」
スピネル「初めて会った時、あの光の中から「わたし」というカタチを見出してくれた
     おかげでわたしは、妹として素敵な兄さまを得ることができました
     この幸せは、すべて最初に兄さまが「わたし」を女の子にしてくれたおかげです」
フォルス「なるほど‥‥‥確かに、そういうことになるのか‥‥‥」
スピネル「もっとも、わたしがたとえ何として生まれていたとしても、
     必ず兄さまのことを大好きになっていたと思いますけど」
フォルス「‥‥‥スピネル」
スピネル「さ、おしゃべりはこのくらいにして、そろそろ急ぎましょう?」

わたしがここにいるということ 生きて、考えて、動いているということ
すべての始まりは、兄さまとの出会いだった
名前も、姿も、生命も、すべて兄さまにもらった
もし、あの日あの時、兄さまがわたしという存在の前に落ちてこなかったら
わたしはいまごろ、何になっていたんだろう?
考えれば考えるほど、怖くなってしまう そして同時に、感謝の気持ちで満たされていく
兄さま‥‥‥ わたしと出会ってくれて、ありがとう
わたしを形作ってくれて、ありがとう わたしと一緒に歩んでくれて、ありがとう

「わたしと響き合ってくれて、今、この時をくれて、本当に、ありがとう」


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Last-modified: 2013-06-22 (土) 00:00:00