第2話

アベルト「よっ、お疲れさん」
フォルス「アベルト!? どうしてここに?」
アベルト「残務処理がひと段落ついたんでな、後は警察従士に任せて、抜け出してきた
     お前のほうは、眠れなくて夜の散歩ってところか?
     学生のころから変わんねえな、そういうところ」
フォルス「当たりだよ、さすがアベルトには何でも見抜かれちゃうな」
アベルト「いいかげん、付き合いも相当に長いしな」
フォルス「そういえば今日はありがとう、アベルト おかげで事件を解決できたよ」
アベルト「気にすんな 今回は、そっちのおかげでこっちも助かった
     あの悪魔を倒したら、なくなってた記憶が街の連中のところに帰っていっただろ?
     あれだけで、今朝から起きてたもめ事のほとんどが解決したんだからな」
フォルス「あ、そっか!」
アベルト「警察騎士の仕事も、召喚師の仕事も、この街ではどこか繋がってるんだ
     だから俺の手を借りるのに いちいち礼なんていらないんだよ」
フォルス「そう‥‥‥かもしれないけど、やっぱり感謝したいときって、あるよ」
アベルト「ち、強情者が」
フォルス「君には言われたくないよ」

ほんと‥‥‥ 強情さでは、君に勝てる気がしないよ‥‥‥

第3話

フォルス「うーん‥‥‥」
アベルト「ん? どうした、今夜はまた難しい顔してんな」
フォルス「いや、ほら、今日の僕って、勝手に突っ走ってみんなに迷惑かけたし
    反省してるんだよ、これでも」
アベルト「ん、まあ、確かに 今日のはちっとやらかしちまったな
     俺のほうも、上司にこってりしぼられちまった」
フォルス「そうだよね ほんと、ごめん」
アベルト「ま、気にすんな‥‥‥ってのは無理にしても、そんなに気に病んだりはすんな
     周りに迷惑をかけてるってのは、周りに頼れている証拠なんだ
     お前と付き合ってる連中なら、どいつもそんなこと慣れっこだろうさ」
フォルス「褒められてる? 励まされてる? 責められてる? 怒られてる?」
アベルト「どれでも、好きなやつを選びな お前が選んだやつが、そのまま正解だ
     嵐の海なんざ、すぐに凪に変わる その逆も同じ、考えるだけ無駄ってもんだ
     そんじゃ、俺は行くぜ 今夜は久々に、夜に寝れるんだ」
フォルス「うん‥‥‥おやすみ、アベルト」
アベルト「おう」

おやすみ、アベルト‥‥‥ そして、励ましてくれてありがとう‥‥‥

第4話

アベルト「ったく、相変わらず忙しいやつだな 謹慎中のはずじゃなかったのかよ」
フォルス「そういうアベルトこそ、こんなところにいて大丈夫なの?
    いま警察騎士は、今回の事後処理で大忙しのはずじゃ‥‥‥」
アベルト「ああ、休暇中だったはずの奴まで総動員して捜査中さ
     うちの新米の中にゃ、たまのデートをキャンセルさせられたやつもいるぜ」
フォルス「あはは‥‥‥ それはまた、おきのどくに‥‥‥」
アベルト「今回の強奪事件‥‥‥前までの事件に比べてちょいと派手すぎるからな
     真紅の鎖の本気はこれからだろうってんで対策にいよいよ本腰入れることになった」
フォルス「だよねえ‥‥‥ まったく、ひとごとじゃないや」
アベルト「ま、面倒な捜査の類はできるだけ、こっちで片づけておいてやる
     事件の解決は任せたぜ、調停召喚師 そいつばかりは、お前たちの仕事だからな」
フォルス「責任重大だなあ‥‥‥」

そうだね‥‥‥ 気合を入れなおして、がんばらなきゃ!

第5話

アベルト「それにしてもまあ、人生、何が起こるかわからないもんだな
     まさかあのルエリィが、誓約することになるとはなあ」
フォルス「そんなに意外だった?」
アベルト「んー、まあ、そうじゃないと言えば嘘になるんだが
     あいつの根性と執念なら、どうせそのうちやれるだろうとは思ってたな
     お前ほどじゃないが、俺だってルエリィとはそれなりの付き合いだ
     いつまでもお前の背中を追っかけるだけの可愛い後輩じゃないとは思ってたさ」
フォルス「追いつかれちゃったかな?」
アベルト「さあて、な そいつはこれからのお前次第だ
     俺はにやにやしながら、特等席から見守らせてもらうぜ?」
フォルス「あはは‥‥‥ありがとう、アベルト」
アベルト「ん? 何だよ、いきなり」
フォルス「今のってつまり、これまで僕のそばで力になってくれていたのと同じように、
    ルエリィのことも助けてくれるってことだよね?」
アベルト「‥‥‥勘違いするなよ? あいつを甘やかす気はないからな
     あくまで、俺の力が必要で、あいつ自身じゃどうしようもない時だけだ」
フォルス「うん、わかってる」
アベルト「その笑顔が怪しいんだよ、お前は‥‥‥ ふわああ、あ‥‥‥
     わり、もう帰るわ そういや、昨日も寝てなかった」
フォルス「うん、おやすみなさい また明日」
アベルト「おう、また明日」

ルエリィが目を覚ましたら、思い切りねぎらってあげないとな‥‥‥

第6話

アベルト「最近オヤジさんが‥‥‥ ああ、うちの先輩騎士なんだけどな
     お前も早く結婚しろって やたらとうるさいんだよ」
フォルス「へえ? 誰か、気になってる人でもいるの?」
アベルト「あー、いや、そういう意味じゃないんだ
     相手は誰でもいいから さっさと身を固めろ、だとさ
     警察騎士なんて仕事をやってると、機会を逃してずっと独り身ってやつも多いし
     まだ無理のきく若いうちに所帯を作っとけ、だそうだ」
フォルス「へえ‥‥‥そういう話なら、うちも、あんまり他人事じゃないかなあ」
アベルト「事件に振り回されて、自分の時間を持てないってことじゃ変わらないしな
     オヤジさんの言うことも分かるが、実際問題として、どうなんだろうな
     というか、あのオヤジ、自分とこの夫婦仲がうまくいってない腹いせに
     若いのを同じ修羅場に巻き込もうとしてるだけじゃないだろうな?」
フォルス「あはは、そればっかりは、本人を知らないと何とも言えないなぁ
    まぁ、アベルトなら、きっと大丈夫だよ ちゃんとした家庭を作れるさ」
アベルト「さて、どうだかね?
     こういう方面の話じゃ、お前の保証はちっとも信頼できないからな」
フォルス「ひどいな、褒めてるのに」
アベルト「褒める才能のあるやつの言葉だからこそ 話半分に受け取っとくってことさ」
フォルス「‥‥‥微妙に褒め返されたみたいだけど、どう反応したらいいんだろうね、僕は」
アベルト「ま、少なくとも今は、妙なことに焦るより、ここでこうしてるほうが俺の性に合ってる
     今後どんだけいい女と巡り合うことがあっても お前の代わりにはならないだろうしな」
フォルス「はは、そうだね それは、僕も同意見だよ
    やっぱり、アベルトは特別だ 代わりの誰かなんて、想像できないや」
アベルト「やれやれ、お互いしばらく、女っ気には縁がなさそうだな」
フォルス「まったくだね」

結婚、ねぇ‥‥‥ あまり深く考えたことなかったな

第7話

アベルト「せっかく再会した旧友が、すっかり変わってしまった‥‥‥か」
フォルス「うん‥‥‥ 昔も、変わったところのあるやつだったけど
    悪い奴ではなかった、はず‥‥‥ 僕はそう信じてたんだけど、な‥‥‥」
アベルト「人をすぐ信じるってのはお前の長所なんだが、今回は裏目に出たな
     やれやれ、こういう話になってなければ 個人的に聴きだしたいこともあったんだがな
     お前の小さいころの話とか、そういう話を」
フォルス「‥‥‥なんで?」
アベルト「どんな環境で人を育てたらお前みたいなやつが出来上がるのか、単純に興味がある」
フォルス「‥‥‥君が僕を何だと思っているのか、わからなくなってきたよ」
アベルト「最高の友人、だぜ?」
フォルス「君のことは信用してるけど、君の笑顔はあんまり信用してない」
アベルト「ひっでえなあ」

笑ったら、少し気が楽になったよ ありがとう、アベルト‥‥‥

第8話

アベルト「‥‥‥なあ、お前さ、学園の七不思議って覚えてるか?」
フォルス「え? ええと‥‥‥
    真夜中になると増える教室とか、宿題を忘れた女の子の幽霊とか‥‥‥
    あと何があったっけ?」
アベルト「伝説の大校長、ってのに聞き覚えは?」
フォルス「ああ、そういえばそんな噂もあったような‥‥‥って、あれ?」
アベルト「学園長より偉い伝説の人物だけど、その正体はいっさい不明
     誰が言い出したのかもわからない、噂の中だけの住人
     そして恐ろしいことに、学園創立の昔から、一度も代替わりをしていないらしい
     気の遠くなるような長い間、ずっと、一人の人物がその地位にあるのだとか‥‥‥」
フォルス「えーと‥‥‥ もしかして、先生のことだよね、それ」
アベルト「間違いないだろうな
     最初に聞いた時には、幽霊話のたぐいだと思ってたんだが
     まさか、ほとんどそのまま事実だったとは」
フォルス「世界には、いろいろと不思議なことがあるものだね‥‥‥」
アベルト「さんざん俺たちが青春時代を過ごした学園にでさえ、こんな驚きがあったんだ
     これから先も、どこから何が飛び出してくるか、分かったものじゃないな」
フォルス「‥‥‥アベルト?」
アベルト「どうせお前のことだ、自分の友人のしでかしたことで、沈んでたんだろう
     周りで起こった何でもかんでも 自分のこととして抱え込んでしまうのは
     お前のいいところでもあるんだが、危なっかしいところでもある
     今回みたいな場合は特にな」
フォルス「君が何が言いたいのかはわかったよ あまり気にするなっていうんだろ?
    でも、僕は‥‥‥」
アベルト「わかってる、どう言ったところでお前はそう答えるだろうってな
     ただ、お前が友人の一人のことでべっこりヘコんでる姿を見てると
     別の友人が落ち着かないってことも覚えておいてほしいだけだ
     嫉妬してるんだぜ、これでも」
フォルス「‥‥‥あは、ごめん」

アベルトには、心配かけちゃってるな‥‥‥

第9話

アベルト「‥‥‥あいつは落ち着いたか?」
フォルス「なんとか眠ったみたいだよ だいぶまいってたみたいだけどね」
アベルト「無理もないさ、あんな目に遭えば 誰だって普通じゃいられなくなる
     まして、あいつにとっちゃ、一番大切なお前を巻き込むところだったんだからな
     見ていたこっちの心臓のことも 少しは考えろってんだ」
フォルス「あはは‥‥‥ なんていうか、ごめん‥‥‥」
アベルト「それで? お前自身はどうなんだ? 大丈夫そうか?」
フォルス「さっきまでは少し辛かったけど、君の顔を見たら少し楽になったよ
    アベルトって動じないよね 何があっても、取り乱したりしないし
    長いつきあいなのに、辛そうなところとか見たことない気がするよ」
アベルト「ん‥‥‥まあ、そうか
     俺の信条は、気楽に生きることだからな 悩みは持たないし、いつだって平常心だ」
フォルス「ウソだよね?
    本当にそんな信条を持ってるなら、警察騎士になんてならないはずだし」
アベルト「まあ、な‥‥‥」
フォルス「もしかして、この話題、あんまり触れたくない?」」
アベルト「いや、別にそういうわけじゃないんだが ‥‥‥笑うなよ?」
フォルス「そりゃ、笑わないけど」
アベルト「何があろうと平気な顔をしてるくらいでないとお前が気軽に頼ってこないだろ?
     下手したら逆に、お前に心配されちまう それじゃ意味がないんだよ」
フォルス「ぷっ‥‥‥ あははははっ」
アベルト「あ、お前、笑わないって約束だっただろう!?」
フォルス「ご、ごめん、でも、今のはさすがに、なんていうか‥‥‥
    アベルトらしすぎて、ガマンできなくて‥‥‥」
アベルト「ああもう、だから言いたくなかったんだ!」
フォルス「‥‥‥いつもありがとう、アベルト 本当に、頼らせてもらってるよ」
アベルト「おう‥‥‥これからも、遠慮なく頼れ
     圧倒的に頼られることのほうが多いお前は、それでやっと帳尻が合うんだ
     そうでなきゃ、俺が落ち着かない」

本当に、ありがとう‥‥‥

第10話

アベルト「案の定、ひでえ顔してやがるな
     海の真ん中で羅針盤をなくして、どうしたらいいか見失ったって顔だ」
フォルス「うん‥‥‥」
アベルト「言い返す言葉もなし、か こりゃ本格的に深刻だな」
フォルス「だって、本当に君の言う通りだからさ
    僕たちは、エルストさんに憧れて、エルストさんの言葉に導かれてここに来た
    召喚師になったのも、みんなのためにと言って戦ってきたのも、全部そうだよ
    なのに、今さら‥‥‥それが間違いだった、なんてさ」
アベルト「やれやれ、こいつは重症だな」
フォルス「なんとでも言ってよ‥‥‥」
アベルト「そうか? それじゃ、あえて言わせてもらうとするか
     ‥‥‥ふざけるなよ」
フォルス「えっ‥‥‥?」
アベルト「お前、自分で何を言っているのか、本当に分かってるのか!?
     これまで生きてきた自分自身を、口先だけの最低のクズにするつもりか!?」
フォルス「え? え? ど、どういう意味?」
アベルト「最初に誰に言われた言葉だろうとな、お前が口にした瞬間から、お前の言葉だ!」
フォルス「あ‥‥‥」
アベルト「お前はこのセイヴァールに来てから何度、信じろという言葉を口にした!?
     何人の人間に自分を信じさせて、頼らせてきた!?
     何人の仲間を作り、支えて支えられて、ここまでやってきたんだ!?」
フォルス「アベルト‥‥‥」
アベルト「‥‥‥エルスト・ブラッテルン本人が、どんなつもりでいても、いいじゃないか
     その背中を追いかけながら、お前は、これまで立派にやってきたんだ
     憧れの人に裏切られた程度のことで、憧れてきた自分の気持ちを裏切るなよ
     羅針盤が見えなくなったなら、海でも空でもいいから、周りを見渡せよ
     航路なんてものは、案外、そういうところからも見つかるもんだぜ」

エルストさんに憧れて、これまでやってきた僕自身の気持ち‥‥‥
ありがとう、アベルト おかげで、大切なことを思い出せたよ‥‥‥

第11話

アベルト「ふう‥‥‥ 何年分かの始末書を書いた気分だぜ」
フォルス「え? 何か失敗したの?」
アベルト「真紅の鎖の若頭を連れ出した件の後始末に決まってるだろう」
フォルス「あっ‥‥‥ ごめん、すっかり忘れてた」
アベルト「まあ、いいさ しっかり結果は出たんだしな
     真紅の鎖に続いて、ブラッテルンまで街から一掃
     それで文句をつけるようなやつは うちの騎士団にはいないさ
     今回の始末書は、まあ、形だけのものだ 受け取った上司も笑ってたしな」
フォルス「それでも、始末書の枚数を手加減してくれたりはしなかったんだ?」
アベルト「警察が書類を適当に扱いだしたら いろいろな意味で街が危ないだろ?
     そこは融通がきかないくらいでちょうどいいんだよ」
フォルス「ううん‥‥‥あいかわらず、アベルトのこだわりはよくわからないな」
アベルト「お互い様だ、俺もあいかわらず、お前のこだわりは読みきれてない
     だから、いいんだ そうだろう?」
フォルス「うん、まあね」

でも、アベルトだって疲れてるんだから、徹夜仕事にはしないようにね?

第12話

アベルト「‥‥‥わかっちゃいたことだが、誰にでも事情ってのはあるもんだな」
フォルス「でも、まだよくわからないよ ギフトはなんで、相談してくれなかったんだろ」
アベルト「あー‥‥‥そうか、お前からだとよくわからないかもしれないな」
フォルス「え? もしかして、アベルトにはわかるの?」
アベルト「わかる、ってほどじゃないが、予想はできるさ
     あいつにはな、お前がまぶしく見えてたんだよ
     能力とか才能とかじゃない お前の中に見えた可能性がまぶしかった」
フォルス「可能性?」
アベルト「何か凄いことをやらかしそうに見えるんだよ 今も昔も、お前ってやつはな
     そんなやつと対等の友人でいるためには、並大抵の神経じゃいられなかったんだろうさ
     自分も何か凄いことをやらかさないと あいつの隣にいる資格はない‥‥‥
     そんなふうに思いつめたとして、まあ、何の不思議もないな
     そんなこと、劣等感を抱いてる当の相手に相談なんてできないだろ?」
フォルス「そんな‥‥‥ 友達に資格なんて、そんなもの、必要ないのに」
アベルト「そいつは、お前が決めることじゃない あいつの心が決めることだろ」
フォルス「‥‥‥うん‥‥‥」
アベルト「俺も似たような心境に覚えがあるからな、同情するところがなくもないんだが
     まあ、何にせよお前が気にすることじゃない 悩むくらいなら忘れちまえ」
フォルス「うん‥‥‥ じゃあ、ひとつだけ聞かせてよ
    アベルトも、僕の友達でいることに、何か重たいものを感じてるの?」
アベルト「さあ、どうだろうな?」

いつもみたいに笑って、アベルトは答を教えてはくれなかった‥‥‥

第14話

好感度差分なし
アベルト「ふう‥‥‥街の混乱は、とりあえず収まったとみてよさそうか
     といっても、それも所詮一時しのぎだ、ちょっとした刺激で爆発しかねない
     事態がおかしなほうに転がる前に、問題の根っこをどうにかしないとな‥‥‥」
フォルス「アベルト? まだ起きてたの?」
アベルト「ああ、見回りついでに海でも見ていこうと思ってな」
フォルス「見回りって‥‥‥ 明日に備えて休まないの?」
アベルト「昼にあれだけのゴタゴタがあったんだ、街の様子が気になってな
     こんな時間にこんな場所にいるんだ、それはお前も同じだろ?」
フォルス「まあ、そうだけど‥‥‥」
アベルト「‥‥‥今夜の海は、やけに静かだな
     こういう波の日に限って、一度荒れ始めたら手がつけられなくなるんだが
     出港を先送りにできる航海ばかりとも限らない、ってか‥‥‥」
フォルス「珍しいね、アベルトがそんなあからさまに不安そうなこと言うのは」
アベルト「さすがに、事態がここまで大きくなれば そうそう自信家でもいられないさ
     俺は有能だが平凡な警察騎士なんだ、非常識な任務は専門外だ」
フォルス「そんなやる気のないこと言いながら、なんだかんだで頼らせてくれるんだよね
    そういうアベルトの素直じゃないところ、僕は好きだな」
アベルト「ふだん何でも頼れと言ってる手前、引っ込みがつかなくなってるだけだ
     さっさと通常業務に戻りたいってのが偽りのない本音だな」
フォルス「‥‥‥そういえば、アベルトは、どうして僕に協力してくれるの?
     友達だから、って言葉じゃ説明できないくらい 気にかけてくれてるよね?」
アベルト「なんだ、いきなり」
フォルス「いきなりってことはないさ ずっと気にはしていたんだ
     これまで何度聞いてもはぐらかすだけで、話してくれなかっただけじゃないか」
アベルト「そいつは‥‥‥ まあ、別に機密とかじゃないけどよ
     俺たちが初めて会った時のこと、覚えてるか?」
フォルス「えっと‥‥‥僕がセイヴァールに来て、学園に入った次の年のことだったっけ
     たしか学期末の成績発表で、僕が一番、君が二番をとったんだよね
     あの時のアベルト、すごくイライラしてた」
アベルト「そりゃそうだろ、俺はそれまで、必死になってトップを走ってたんだぜ?
     それが、お前みたいなノホホンとしたやつに あっさり抜かされたんだからな」
フォルス「ノホホンって‥‥‥」
アベルト「‥‥‥いや、まあ、その時の俺にはそう見えてたってだけの話だけどな
     同じように首位争いをしているように見えて、俺とお前たちでは何もかもが違っていた
     俺はマジメだったからな、自分の成績以外、何ひとつ見えてなかった
     夢を持って、それを現実にするために必死になっているお前たちが、まぶしく見えた
     それでまあ、見てみたくなったんだよ お前たちが目指した道の先にあるものを」
フォルス「自分の道を見つけたりはしなかったの?」
アベルト「んー、まあ、本来そういうのが筋ってもんなんだろうけどな
     そへんはしょうがない、お前たちを気に入っちまったもんだからな
     俺がお前たちを助ける理由を言葉にするなら、そんなもんだ」
フォルス「うーん‥‥‥光栄ではあるけど、なんだかくすぐったいな‥‥‥」
アベルト「そういう反応をされるのが分かってたから言いたくなかったんだよ
     ったく、語ったこっちのほうが気恥ずかしいだろうが」
フォルス「それでもちゃんと教えてくれちゃうあたり、本当に律儀だよね」
アベルト「そういう感心をされるのも嫌だったんだよ‥‥‥
     ああもう、今夜のところ、この街は平和だ! 見回りは切り上げて、さっさと帰るぞ!
     そんでもって、明日以降の平和のために、空のあいつをぶっとばす!」
フォルス「アベルト」
アベルト「‥‥‥何だ」
フォルス「なんていうか、言わなきゃいけないことがいろいろある気もするんだけど
     うまく言葉にできないから、ひとことだけ
     今後ともよろしく、ね」
アベルト「‥‥‥
     ああ、よろしくされてやる」

さあて、と 僕も早く寝て、明日に備えよう
明日からの僕たちが、今日までの僕たちと同じように
信じ合い、支え合って戦っていけるように‥‥‥

ED

好感度4・5
フォルス「ん‥‥‥
     ふわああ‥‥‥ よく寝た‥‥‥
     何か、懐かしい夢をみたような、そうでもないような‥‥‥」
アベルト「ただいま‥‥‥」
フォルス「おかえり 突然の夜勤、おつかれさま」
アベルト「おう、いきなりの捕り物で 夜の街を思い切り走り回ってきたぜ‥‥‥
     どうして犯罪ってのは 昼夜を問わずに起こるもんなんだろうな‥‥‥」
フォルス「勤勉で有能な警察騎士が、昼夜を問わずに追いかけてくれるからじゃないかな」
アベルト「そいつはまた、不毛な話だな‥‥‥」
フォルス「まあ、今はゆっくり休みなよ 寝る前に何か飲むかい?」
アベルト「あー‥‥‥それなら、薄めのミルクティーを頼めるか?」
フォルス「了解!」
アベルト「‥‥‥そういや、お前の響友、最近の調子はどうだ?」
フォルス「スピネルなら、やっと一人暮らしにも慣れたって言ってたよ
     一人でもちゃんとやっていける、頼れる女になるんだって息巻いてる」
アベルト「あいつが、頼れる女、ねえ‥‥‥ まあ、遠い将来に期待ってところだな」
フォルス「アベルトが、寮の改装で泊まる場所がないから しばらく部屋を貸してくれ、って来たとき
     この部屋を出る、一人で暮らす、って言いだしたからどうしようと思ったけど
     きっと、思うところがあったんじゃないかな」
アベルト「そりゃあ、あるに決まってるだろ」
フォルス「そうなの?」
アベルト「‥‥‥まあ、分からないなら分からないでかまわないだろうさ
     お前はそういうやつだし、俺もあいつも そのあたりは承知しているし」
フォルス「え? え?」
アベルト「つまり、俺がっずっとお前のそばにいて、あいつもそれを認めたってことだ
     ま、あまり深く気にするな」
フォルス「うーん‥‥‥」
アベルト「さて、寝る前に軽く、シャワーでも浴びてくるかな」
フォルス「あ、それなら出るころにはお茶の準備を済ませておくよ」
アベルト「ああ、頼んだ――」
(ピピッピピッ)
管理官さん「≪‥‥‥フォルスさん! フォルスさん、聞こえますか!≫
      ≪獣人の集団による、窃盗事件です! すぐに現場に向かってください!≫
      ≪それと、この事件には久しぶりに、警察騎士団と共同であたることになります≫
      ≪近くに騎士アベルトがいましたら、首ねっこをひっつかんででも≫
      ≪現場に連れてきてほしいというのが騎士団のほうからの要請です!≫」
(ピッ)
フォルス「‥‥‥ええと」
アベルト「言わなくていい、俺にも聞こえた ‥‥‥さらば、愛しきベッドと枕」
フォルス「なんていうか、ご愁傷様?」
アベルト「こうなったら仕方ない、さっさと片付けて今度こそ休むさ」
フォルス「そうだね、急ごう!」



好感度3
フォルス「ん‥‥‥
     ふわああ‥‥‥ よく寝た‥‥‥
     何か、懐かしい夢をみたような、そうでもないような‥‥‥」
アベルト「ただいま‥‥‥」
フォルス「おかえり 突然の夜勤、おつかれさま」
アベルト「おう、いきなりの捕り物で 夜の街を思い切り走り回ってきたぜ‥‥‥
     どうして犯罪ってのは 昼夜を問わずに起こるもんなんだろうな‥‥‥」
フォルス「勤勉で有能な警察騎士が、昼夜を問わずに追いかけてくれるからじゃないかな」
アベルト「そいつはまた、不毛な話だな‥‥‥」
フォルス「まあ、今はゆっくり休みなよ 寝る前に何か飲むかい?」
アベルト「あー‥‥‥それなら、薄めのミルクティーを頼めるか?」
フォルス「了解!」
アベルト「‥‥‥そういや、お前の響友、最近の調子はどうだ?」
フォルス「スピネルなら、やっと一人暮らしにも慣れたって言ってたよ
     一人でもちゃんとやっていける、頼れる女になるんだって息巻いてる」
アベルト「あいつが、頼れる女、ねえ‥‥‥ まあ、遠い将来に期待ってところだな」
フォルス「アベルトが、寮の改装で泊まる場所がないから しばらく部屋を貸してくれ、って来たとき
     この部屋を出る、一人で暮らす、って言いだしたからどうしようと思ったけど
     きっと、思うところがあったんじゃないかな」
アベルト「そりゃあ、あるに決まってるだろ」
フォルス「そうなの?」
アベルト「‥‥‥まあ、分からないなら分からないでかまわないだろうさ」
フォルス「うーん‥‥‥」
アベルト「さて、寝る前に軽く、シャワーでも浴びてくるかな」
フォルス「あ、それなら出るころにはお茶の準備を済ませておくよ」
アベルト「ああ、頼んだ――」
(ピピッピピッ)
管理官さん「≪‥‥‥フォルスさん! フォルスさん、聞こえますか!≫
      ≪獣人の集団による、窃盗事件です! すぐに現場に向かってください!≫
      ≪それと、この事件には久しぶりに、警察騎士団と共同であたることになります≫
      ≪近くに騎士アベルトがいましたら、首ねっこをひっつかんででも≫
      ≪現場に連れてきてほしいというのが騎士団のほうからの要請です!≫」
(ピッ)
フォルス「‥‥‥ええと」
アベルト「言わなくていい、俺にも聞こえた ‥‥‥さらば、愛しきベッドと枕」
フォルス「なんていうか、ご愁傷様?」
アベルト「こうなったら仕方ない、さっさと片付けて今度こそ休むさ」
フォルス「そうだね、急ごう!」



響友差分
フォルス「ダイスなら、メテオラさんのところで しっかりやってるみたいだよ
     最近は、僕との任務の間を縫って、ノイラーム社の仕事も手伝ってるみたいだ」
アベルト「ほお‥‥‥ 相変わらず、真面目で働き者だな」

フォルス「カゲロウなら、ライジン師範のところで 順調に住み込み修行を進めてるみたいだよ
     なかなかスジがいいって、ライジン師範がいつもの大声で言ってた」
アベルト「あの親父にそこまで言わせるとは、さすがだな 少し妬けるぜ」

フォルス「スピネルなら、やっと一人暮らしにも慣れたって言ってたよ
     一人でもちゃんとやっていける、頼れる女になるんだって息巻いてる」
アベルト「あいつが、頼れる女、ねえ‥‥‥ まあ、遠い将来に期待ってところだな」

フォルス「ペリエなら、もちろん元気だよ ヒゲヒゲサン農場にも、ようやく慣れたってさ
     畑仕事が楽しくて仕方ないらしい 毎日充実してるって言ってた」
アベルト「調停機構の任務に支障が出ない範囲にさせとけよ?」


トップ   差分 履歴 リロード   一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2013-06-18 (火) 00:00:00