SN6/夜会話/セイロン(ラージュVer.)
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RIGHT:情報提供(敬称略):M.S.~
#contents
~
**いつもそんな感じなの? [#c1839794]
''セイロン''「おお、ラージュ殿。そこにいたのか。」~
''ラージュ''「セイロン、どうしたんだよ。こんなところまで...
''セイロン''「いやなに、大したことではない。~
この世界に来てからは日々忙しく、きちんと話をす...
ラージュ殿とは一度こうして腰を据えて話してみた...
''ラージュ''「確かに、そうだな。」~
''セイロン''「‥‥‥ふむ。夜空がよく見えるな。我もしばらくこ...
~
(セイロン、座る)~
~
''ラージュ''「‥‥‥なあ、セイロン。~
それならオレからも聞いてみたいことが、あるんだ...
''セイロン''「どうしたのだ?」~
~
''ラージュ''「ちょっと気になってたんだけど‥‥‥。」
- ''いつもそんなしゃべり方なのか?''~
''セイロン''「そうだが。なぜそんなことを聞くのだ?」~
''ラージュ''「‥‥‥いや‥‥‥ちょっと変わってるかなって‥‥‥。」~
''セイロン''「我の話し方がおかしいとそう感じているという...
我の周囲の者たちは皆似たよな話し方をしている故...
‥‥‥うむ。そなたも我の口調を真似するがよかろう。...
''ラージュ''「えっ? なんでそうなるんだよ!?」~
''セイロン''「気になったということは、気に入ったというこ...
はっはっは!」~
''ラージュ''「‥‥‥いや、遠慮しておくよ‥‥‥。~
(なんていうか‥‥‥。真面目に相手してるとすごく疲...
~
- ''いつもそんなに偉そうなのか?''~
''セイロン''「む。偉そうとは無礼な。~
実際に我は偉いのだ。未来の龍人族の長であるぞ!」~
''ラージュ''「‥‥‥はあ‥‥‥。未来の、ね‥‥‥。」~
''セイロン''「失礼だがラージュ殿。ことの重要性が分かって...
こうした縁が無ければ、我とそなたは一生交わるこ...
''ラージュ''「‥‥‥うん‥‥‥そうかもね‥‥‥。」~
''セイロン''「もっと光栄に思ってくれてよいのだぞ。はっは...
''ラージュ''「(なんていうか‥‥‥。真面目に相手してるとすご...
**御使いの務め [#tf306fd2]
''ラージュ''「あれ、先客がいる‥‥‥。」~
''セイロン''「やあ、ラージュ殿。お邪魔させてもらっている...
''ラージュ''「別に俺専用の場所ってわけでもないし、気にし...
''セイロン''「そう言ってもらえると助かるが、一応筋は通し...
''ラージュ''「あはは‥‥‥そういえばさ、~
あんまりちゃんと聞いたことがなかったけど、セイ...
''セイロン''「うむ。」~
''ラージュ''「名前だけ聞いてもあんまりピンとこないんだけ...
''セイロン''「‥‥‥うーむ。」~
''ラージュ''「あっ、言いたくないなら無理に言う必要はない...
''セイロン''「いや。ラージュ殿にも判るよう、どう話せば良...
''ラージュ''「なんか引っかかる言い方だけど‥‥‥。」~
''セイロン''「ふむ、一言で言うと、『至竜を支え助けるもの...
''ラージュ''「ふうん。~
『至竜』ってやつのお世話をするってことか? な...
''セイロン''「然り。だからこそ『御使い』も四人いるのだ。~
お互いを気遣い、支え合う。~
その存在がなければ『御使い』は。『御使い』とし...
‥‥‥まあ‥‥‥『御使い』であることに、囚われすぎる...
御使いの長である男など、真面目すぎて何事にも手...
見てるこちらも気が休まらんかったよ。そういうこ...
''ラージュ''「そっか。でもセイロンはその人のこと、信頼し...
''セイロン''「当然だ。『御使い』なのだから。」~
''ラージュ''「‥‥‥そうだよな。なんか、そういう信頼関係って...
''セイロン''「‥‥‥。‥‥‥信頼は積み重ねるものであるからな。~
そなたが周囲からもっと信頼されたいと思うならば...
**演舞 [#g9702b66]
''セイロン''「‥‥‥はっ、ふんっ、はっ。」~
''ラージュ''「おっ、なんか格好いいな。」~
''セイロン''「おお、そなたか。」~
~
(セイロン、座る)~
~
''ラージュ''「セイロン、今やってたのって?」~
''セイロン''「拳法の『型』を稽古しておったのだ。~
日々の精進を怠るようでは一流の武術家とは、呼べ...
''ラージュ''「武術の訓練だったのか。まるで踊りを見ている...
''セイロン''「はははっ、そうであろう。ではどうだ、試しに...
~
''ラージュ''「えっ? オレも?」
- ''一緒にやってみる。''~
''セイロン''「うむ、感心感心。では我に続くがよかろう。よ...
''ラージュ''「よし!」~
~
''セイロン''「まずは少しゆっくりとやってみせよう。武器を...
''ラージュ''「今後、素手で戦うこともあるかもしれないから...
''セイロン''「そうであるな。色々知っておいて損はなかろう...
~
''ラージュ''「よっ、はっ!」~
''セイロン''「‥‥‥うむ。なかなか呑み込みが早いな。」~
''ラージュ''「っ! そっそうか?~
はあ‥‥‥はあ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥はあ、すっかり汗をかいてしまったな。それ...
''ラージュ''「ありがとう。この稽古、また参加してもいいか...
''セイロン''「もちろんだ。歓迎する。 我も精進せねばな。」~
~
- ''そんなのが役に立つのか?''~
''ラージュ''「そんなのが役に立つのか?」~
''セイロン''「役に立つかどうか、自身で試してみればよかろ...
''ラージュ''「へっ、それなら、受けて立つぜ!」~
~
''セイロン''「ではそちらから仕掛けてくるがよい。」~
''ラージュ''「言ったな? とう! えりゃ!」~
''セイロン''「‥‥‥おおっと。そんな動きではかすりもせぬぞ?...
''ラージュ''「くっそー!!」~
~
''ラージュ''「‥‥‥ぐっ!~
‥‥‥あれ‥‥‥オレ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥すまぬ。少々力が入りすぎたようだ。気絶さ...
''ラージュ''「セイロンの動き確かにすごかったよ。この稽古...
''セイロン''「もちろん歓迎する。 我も精進せねばな。」
**わかっていても心を開けぬ [#meda4e5e]
※ 第19章の夜以降~
''ラージュ''「セイロン、またここにいたのか。探したよ。」~
''セイロン''「ああ、すまぬすまぬ、夕涼みをしていてな。そ...
''ラージュ''「ああ、二人きりで聞きたいことがあってさ。」~
''セイロン''「ふむ、なんであるか? 話してみよ。」~
''ラージュ''「単刀直入に聞くぞ。セイロンはギアンのことが...
''セイロン''「!!! ‥‥‥なぜそのようなことを‥‥‥!」~
''ラージュ''「あっいや、責めてるわけじゃない。隠そうとし...
ただ、微妙に態度や目線に出てたからさ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥そうか‥‥‥隠し通せているつもりだったが、...
‥‥‥頭ではわかっているのだ。あのギアンと我の知っ...
‥‥‥しかし‥‥‥。あの顔を見ると思い出してしまうの...
あの者に、隠れ里が襲われたこと、それが先代の至...
''ラージュ''「‥‥‥ごめん、オレ事情も知らずに‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥いや。謝らねばならぬのはこちらだ。我の態...
この気持ちはあくまで我個人のものだ。皆に迷惑を...
言いづらいことを言わせたな。その勇気に感謝する...
''ラージュ''「そんな、頭を上げてくれ。」~
~
セイロン‥‥‥。内心ものすごく複雑なんだろうな‥‥‥。
**我の信念を貫く [#mf5180cc]
''セイロン''「ラージュ殿、やはりここにいたのか。」~
''ラージュ''「セイロン‥‥‥うん、ちょっと考えごとをしてた。...
''セイロン''「そうだな。‥‥‥それにしてもそなたには色々と学...
''ラージュ''「へ? 何を?」~
''セイロン''「そんな間抜け面をするな。~
理不尽な運命に屈せず、強くて前向きな心根。生ま...
それはわからぬが、願うならば、御子殿にもそうあ...
そなたを見て思ったのだ。」~
''ラージュ''「そう真っ直ぐに褒められると、さすがに照れる...
~
(セイロン、座る)~
~
''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''ラージュ''「どうした? 浮かない顔だけど、まだ何かある...
''セイロン''「‥‥‥うむ。戻ってからのことを考えると不安にな...
''ラージュ''「ははっ、弱音を吐くなんて珍しいじゃないか。...
''セイロン''「偉そうにしているつもりはないのだが‥‥‥。常に...
''ラージュ''「そんなのさ‥‥‥本当のことを言うと、俺だって不...
だけどさ。やるしかないんだし仕方がないだろ? ...
‥‥‥俺の覚悟なんてその程度のもんだよ。」~
''セイロン''「そういうことを自然に言うことができる。そこ...
‥‥‥はは。我としたことが。いいところは見習えばよ...
先ほどはつまらぬことを言ってしまった。我も明日...
戦いの後も我は我の信念を貫く。そういうことだな...
''ラージュ''「それでこそセイロンだ。明日は頼りにしてるぜ...
**最終決戦 [#cc197214]
(最終戦前)~
''ラージュ''「オレたちは、消えることにもう怯えたりなんか...
魂に強く刻まれた想いはけして消えない。 オレは...
''セイロン''「不届き者などに屈する我らではない! 覚悟せ...
~
(最終戦後)~
''セイロン''「名残惜しいが‥‥‥達者でな。ここでの記憶は、我...
我は貴殿のことを忘れはせぬ。魂に刻み、絶対に忘...
''ラージュ''「オレだって‥‥‥! 絶対に‥‥忘れるもんかっ!」~
~
''ラージュ''「ありがとう‥‥‥。」
**エンディング「店主殿、おおいに嘆く」 [#z1e49a0a]
【忘れじの面影亭】~
~
''フェア''「よしっ、野菜の下準備はこれで完了!」~
''ミルリーフ''「ママァ、お鍋が吹いてるー!」~
''フェア''「わっ、大変! 火を弱めなくちゃ!」~
''ミルリーフ''「ママァ、お魚こげてるー!」~
''フェア''「ちょっ、ちょっと待って! 今、そっちに行くか...
''セイロン''「おやおや。店主殿は、今日も忙しそうだな。」~
''フェア''「あっ、セイロン! いいところに!」~
''セイロン''「我の舌が必要か? よかろう、味見なら任せた...
''フェア''「違うわよ! どうせ、ヒマなんでしょ? こっち...
''セイロン''「どうせ、とは店主殿も口が悪い‥‥‥。こう見えて...
''フェア''「いつも、フラフラしてるようにしか見えないんだ...
''ミルリーフ''「うん、見えない。」~
''セイロン''「あっはっはっは!~
御子殿にまで、そう見られていたとは‥‥‥。これは、...
''フェア''「全然、愉快じゃな〜いっ! すぐ、笑って誤魔化...
働かざる者、食うべからずよ。働かないなら、出て行...
''セイロン''「な、なんと!?~
し、しかしだ、店主殿。手伝えと言われても、ここ...
とてもそなたの役に立てるとは、思えぬのだが?」~
''フェア''「料理以外にも、やることはたくさんあるの!~
皿洗いでしょ、ゴミ捨てでしょ、それに、店内の掃除‥...
''ミルリーフ''「わぁ、いっぱいあるねぇ〜。」~
''セイロン''「そ、それでは、ただの召使いのようではないか。~
な、なあラージュ殿? ラージュ殿は我の味方をし...
''ミルリーフ''「‥‥‥えっ?」~
''フェア''「んっ?」~
''セイロン''「‥‥‥おや?」~
''フェア''「ラージュって、誰のこと? セイロン、誰かと間...
''セイロン''「いや、そんなことは‥‥‥。~
‥‥‥ふむ。」~
''ミルリーフ''「ここには、ママとミルリーフとセイロンしか...
''セイロン''「ああ、そのようだな。~
分かっていたはずなのだが、何故か、その名を口に...
''フェア''「もう、そんなこと言って、話を逸らそうとしたん...
''セイロン''「はっはっは! そうかもしれぬな。」~
''フェア''「セイロン〜〜ッ!」~
~
''セイロン''「(‥‥‥ラージュ)~
(聞き覚えの無い名だ。それなのに何故、我はその...
(‥‥‥だが、とても懐かしい)~
(気のせいだろうか。我は、とても大切なことを忘...
~
''セイロン''「――!!~
あの笑顔、あの声、あの仕草‥‥‥。~
ラージュ殿。そう、ラージュ殿だ! 我はその名を...
‥‥‥とても、大切な友人の名だ。~
すまぬな、ラージュ殿。~
決して忘れぬよう、この胸に刻み込んだはずだった...
そなたにもらった想いまでも、忘れてしまうとは。~
何故、今まで忘れていたのだ? 元の世界に戻って...
~
だけどさ。やるしかないんだし仕方がないだろ? だったら...
~
''セイロン''「ラージュ殿、アム殿、そしてイスト殿は本当に...
‥‥‥だから、我も思い出せなかったのかもしれぬ。~
初めから、存在していなかったかのように。~
だが‥‥‥我は思い出した。彼らと過ごした、日々のこ...
そして、あの時の後悔を。~
‥‥‥我は、何も出来なかったのだ。大切な友のために...
~
''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''フェア''「ねぇ、セイロン聞いてる?」~
''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''フェア''「セイロン!」~
''セイロン''「‥‥‥むっ?」~
''フェア''「むっ、じゃないわよ。ぼーっとして、どうかした...
‥‥‥なんか、深刻そうな顔してるしさ。」~
''ミルリーフ''「セイロン、元気ない?」~
''セイロン''「‥‥‥店主殿、御子殿。実は、今し方‥‥‥。」~
''フェア''「‥‥‥?」~
''セイロン''「‥‥‥いや、なんでもない。」~
''フェア''「え〜っ! なによ、それ!」~
''セイロン''「あっはっはっ、すまぬ。~
我としたことが、何を言おうとしたのか、忘れてし...
''フェア''「も〜‥‥‥思わせぶりな言い方しないでよね。」~
''セイロン''「(2人が、あの世界のことを覚えておらぬのな...
(辛い思いも、思い出させてしまうだろうからな)」~
~
――だが。我は、我だけは忘れるわけにはいかぬ。~
彼らが生きていた証を、彼らと紡いだ絆を。~
共に過ごした記憶こそが、我とラージュ殿を繋ぐ一筋の道と...
‥‥‥我は決して忘れない。異界の盟友たちの存在を。~
思い返すと、我はそなたに助けてもらってばかりだったな。~
‥‥‥感謝しておるよ。そなたに出会えたこと、友になれたこと...
~
''ラージュ''「オレも、セイロンに会えてよかったよ。オレの...
~
''セイロン''「‥‥‥ッ!?」~
''フェア''「どうしたの? 突然、ふりむいたりして。」~
''セイロン''「いや、今そこに‥‥‥‥‥‥フッ、そうか。~
店主殿、すまないが店の手伝いはまた、次回にとっ...
''フェア''「ハァ!?」~
''セイロン''「大事な用を思い出したのでな。はっはっはっ!」~
''フェア''「こ、こら〜! 逃げるな〜〜ッ!」~
~
――満点の星空の下で、我は想う。~
きっと今頃、そなたも我と同じ星を見上げているのではない...
信じられないだろうが、感じるのだよ。‥‥‥そなたの気配を、...
それは、同じ時では無いのかもしれない。~
互いの時間が重なり合うことは、もう二度と無いのかもしれ...
‥‥‥それでも、よいのだ。~
満点の星空の下で、我は願う。~
そなたのいる世界が、幸せであるようにと――‥‥‥。~
~
END
終了行:
RIGHT:情報提供(敬称略):M.S.~
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**いつもそんな感じなの? [#c1839794]
''セイロン''「おお、ラージュ殿。そこにいたのか。」~
''ラージュ''「セイロン、どうしたんだよ。こんなところまで...
''セイロン''「いやなに、大したことではない。~
この世界に来てからは日々忙しく、きちんと話をす...
ラージュ殿とは一度こうして腰を据えて話してみた...
''ラージュ''「確かに、そうだな。」~
''セイロン''「‥‥‥ふむ。夜空がよく見えるな。我もしばらくこ...
~
(セイロン、座る)~
~
''ラージュ''「‥‥‥なあ、セイロン。~
それならオレからも聞いてみたいことが、あるんだ...
''セイロン''「どうしたのだ?」~
~
''ラージュ''「ちょっと気になってたんだけど‥‥‥。」
- ''いつもそんなしゃべり方なのか?''~
''セイロン''「そうだが。なぜそんなことを聞くのだ?」~
''ラージュ''「‥‥‥いや‥‥‥ちょっと変わってるかなって‥‥‥。」~
''セイロン''「我の話し方がおかしいとそう感じているという...
我の周囲の者たちは皆似たよな話し方をしている故...
‥‥‥うむ。そなたも我の口調を真似するがよかろう。...
''ラージュ''「えっ? なんでそうなるんだよ!?」~
''セイロン''「気になったということは、気に入ったというこ...
はっはっは!」~
''ラージュ''「‥‥‥いや、遠慮しておくよ‥‥‥。~
(なんていうか‥‥‥。真面目に相手してるとすごく疲...
~
- ''いつもそんなに偉そうなのか?''~
''セイロン''「む。偉そうとは無礼な。~
実際に我は偉いのだ。未来の龍人族の長であるぞ!」~
''ラージュ''「‥‥‥はあ‥‥‥。未来の、ね‥‥‥。」~
''セイロン''「失礼だがラージュ殿。ことの重要性が分かって...
こうした縁が無ければ、我とそなたは一生交わるこ...
''ラージュ''「‥‥‥うん‥‥‥そうかもね‥‥‥。」~
''セイロン''「もっと光栄に思ってくれてよいのだぞ。はっは...
''ラージュ''「(なんていうか‥‥‥。真面目に相手してるとすご...
**御使いの務め [#tf306fd2]
''ラージュ''「あれ、先客がいる‥‥‥。」~
''セイロン''「やあ、ラージュ殿。お邪魔させてもらっている...
''ラージュ''「別に俺専用の場所ってわけでもないし、気にし...
''セイロン''「そう言ってもらえると助かるが、一応筋は通し...
''ラージュ''「あはは‥‥‥そういえばさ、~
あんまりちゃんと聞いたことがなかったけど、セイ...
''セイロン''「うむ。」~
''ラージュ''「名前だけ聞いてもあんまりピンとこないんだけ...
''セイロン''「‥‥‥うーむ。」~
''ラージュ''「あっ、言いたくないなら無理に言う必要はない...
''セイロン''「いや。ラージュ殿にも判るよう、どう話せば良...
''ラージュ''「なんか引っかかる言い方だけど‥‥‥。」~
''セイロン''「ふむ、一言で言うと、『至竜を支え助けるもの...
''ラージュ''「ふうん。~
『至竜』ってやつのお世話をするってことか? な...
''セイロン''「然り。だからこそ『御使い』も四人いるのだ。~
お互いを気遣い、支え合う。~
その存在がなければ『御使い』は。『御使い』とし...
‥‥‥まあ‥‥‥『御使い』であることに、囚われすぎる...
御使いの長である男など、真面目すぎて何事にも手...
見てるこちらも気が休まらんかったよ。そういうこ...
''ラージュ''「そっか。でもセイロンはその人のこと、信頼し...
''セイロン''「当然だ。『御使い』なのだから。」~
''ラージュ''「‥‥‥そうだよな。なんか、そういう信頼関係って...
''セイロン''「‥‥‥。‥‥‥信頼は積み重ねるものであるからな。~
そなたが周囲からもっと信頼されたいと思うならば...
**演舞 [#g9702b66]
''セイロン''「‥‥‥はっ、ふんっ、はっ。」~
''ラージュ''「おっ、なんか格好いいな。」~
''セイロン''「おお、そなたか。」~
~
(セイロン、座る)~
~
''ラージュ''「セイロン、今やってたのって?」~
''セイロン''「拳法の『型』を稽古しておったのだ。~
日々の精進を怠るようでは一流の武術家とは、呼べ...
''ラージュ''「武術の訓練だったのか。まるで踊りを見ている...
''セイロン''「はははっ、そうであろう。ではどうだ、試しに...
~
''ラージュ''「えっ? オレも?」
- ''一緒にやってみる。''~
''セイロン''「うむ、感心感心。では我に続くがよかろう。よ...
''ラージュ''「よし!」~
~
''セイロン''「まずは少しゆっくりとやってみせよう。武器を...
''ラージュ''「今後、素手で戦うこともあるかもしれないから...
''セイロン''「そうであるな。色々知っておいて損はなかろう...
~
''ラージュ''「よっ、はっ!」~
''セイロン''「‥‥‥うむ。なかなか呑み込みが早いな。」~
''ラージュ''「っ! そっそうか?~
はあ‥‥‥はあ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥はあ、すっかり汗をかいてしまったな。それ...
''ラージュ''「ありがとう。この稽古、また参加してもいいか...
''セイロン''「もちろんだ。歓迎する。 我も精進せねばな。」~
~
- ''そんなのが役に立つのか?''~
''ラージュ''「そんなのが役に立つのか?」~
''セイロン''「役に立つかどうか、自身で試してみればよかろ...
''ラージュ''「へっ、それなら、受けて立つぜ!」~
~
''セイロン''「ではそちらから仕掛けてくるがよい。」~
''ラージュ''「言ったな? とう! えりゃ!」~
''セイロン''「‥‥‥おおっと。そんな動きではかすりもせぬぞ?...
''ラージュ''「くっそー!!」~
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''ラージュ''「‥‥‥ぐっ!~
‥‥‥あれ‥‥‥オレ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥すまぬ。少々力が入りすぎたようだ。気絶さ...
''ラージュ''「セイロンの動き確かにすごかったよ。この稽古...
''セイロン''「もちろん歓迎する。 我も精進せねばな。」
**わかっていても心を開けぬ [#meda4e5e]
※ 第19章の夜以降~
''ラージュ''「セイロン、またここにいたのか。探したよ。」~
''セイロン''「ああ、すまぬすまぬ、夕涼みをしていてな。そ...
''ラージュ''「ああ、二人きりで聞きたいことがあってさ。」~
''セイロン''「ふむ、なんであるか? 話してみよ。」~
''ラージュ''「単刀直入に聞くぞ。セイロンはギアンのことが...
''セイロン''「!!! ‥‥‥なぜそのようなことを‥‥‥!」~
''ラージュ''「あっいや、責めてるわけじゃない。隠そうとし...
ただ、微妙に態度や目線に出てたからさ‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥そうか‥‥‥隠し通せているつもりだったが、...
‥‥‥頭ではわかっているのだ。あのギアンと我の知っ...
‥‥‥しかし‥‥‥。あの顔を見ると思い出してしまうの...
あの者に、隠れ里が襲われたこと、それが先代の至...
''ラージュ''「‥‥‥ごめん、オレ事情も知らずに‥‥‥。」~
''セイロン''「‥‥‥いや。謝らねばならぬのはこちらだ。我の態...
この気持ちはあくまで我個人のものだ。皆に迷惑を...
言いづらいことを言わせたな。その勇気に感謝する...
''ラージュ''「そんな、頭を上げてくれ。」~
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セイロン‥‥‥。内心ものすごく複雑なんだろうな‥‥‥。
**我の信念を貫く [#mf5180cc]
''セイロン''「ラージュ殿、やはりここにいたのか。」~
''ラージュ''「セイロン‥‥‥うん、ちょっと考えごとをしてた。...
''セイロン''「そうだな。‥‥‥それにしてもそなたには色々と学...
''ラージュ''「へ? 何を?」~
''セイロン''「そんな間抜け面をするな。~
理不尽な運命に屈せず、強くて前向きな心根。生ま...
それはわからぬが、願うならば、御子殿にもそうあ...
そなたを見て思ったのだ。」~
''ラージュ''「そう真っ直ぐに褒められると、さすがに照れる...
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(セイロン、座る)~
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''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''ラージュ''「どうした? 浮かない顔だけど、まだ何かある...
''セイロン''「‥‥‥うむ。戻ってからのことを考えると不安にな...
''ラージュ''「ははっ、弱音を吐くなんて珍しいじゃないか。...
''セイロン''「偉そうにしているつもりはないのだが‥‥‥。常に...
''ラージュ''「そんなのさ‥‥‥本当のことを言うと、俺だって不...
だけどさ。やるしかないんだし仕方がないだろ? ...
‥‥‥俺の覚悟なんてその程度のもんだよ。」~
''セイロン''「そういうことを自然に言うことができる。そこ...
‥‥‥はは。我としたことが。いいところは見習えばよ...
先ほどはつまらぬことを言ってしまった。我も明日...
戦いの後も我は我の信念を貫く。そういうことだな...
''ラージュ''「それでこそセイロンだ。明日は頼りにしてるぜ...
**最終決戦 [#cc197214]
(最終戦前)~
''ラージュ''「オレたちは、消えることにもう怯えたりなんか...
魂に強く刻まれた想いはけして消えない。 オレは...
''セイロン''「不届き者などに屈する我らではない! 覚悟せ...
~
(最終戦後)~
''セイロン''「名残惜しいが‥‥‥達者でな。ここでの記憶は、我...
我は貴殿のことを忘れはせぬ。魂に刻み、絶対に忘...
''ラージュ''「オレだって‥‥‥! 絶対に‥‥忘れるもんかっ!」~
~
''ラージュ''「ありがとう‥‥‥。」
**エンディング「店主殿、おおいに嘆く」 [#z1e49a0a]
【忘れじの面影亭】~
~
''フェア''「よしっ、野菜の下準備はこれで完了!」~
''ミルリーフ''「ママァ、お鍋が吹いてるー!」~
''フェア''「わっ、大変! 火を弱めなくちゃ!」~
''ミルリーフ''「ママァ、お魚こげてるー!」~
''フェア''「ちょっ、ちょっと待って! 今、そっちに行くか...
''セイロン''「おやおや。店主殿は、今日も忙しそうだな。」~
''フェア''「あっ、セイロン! いいところに!」~
''セイロン''「我の舌が必要か? よかろう、味見なら任せた...
''フェア''「違うわよ! どうせ、ヒマなんでしょ? こっち...
''セイロン''「どうせ、とは店主殿も口が悪い‥‥‥。こう見えて...
''フェア''「いつも、フラフラしてるようにしか見えないんだ...
''ミルリーフ''「うん、見えない。」~
''セイロン''「あっはっはっは!~
御子殿にまで、そう見られていたとは‥‥‥。これは、...
''フェア''「全然、愉快じゃな〜いっ! すぐ、笑って誤魔化...
働かざる者、食うべからずよ。働かないなら、出て行...
''セイロン''「な、なんと!?~
し、しかしだ、店主殿。手伝えと言われても、ここ...
とてもそなたの役に立てるとは、思えぬのだが?」~
''フェア''「料理以外にも、やることはたくさんあるの!~
皿洗いでしょ、ゴミ捨てでしょ、それに、店内の掃除‥...
''ミルリーフ''「わぁ、いっぱいあるねぇ〜。」~
''セイロン''「そ、それでは、ただの召使いのようではないか。~
な、なあラージュ殿? ラージュ殿は我の味方をし...
''ミルリーフ''「‥‥‥えっ?」~
''フェア''「んっ?」~
''セイロン''「‥‥‥おや?」~
''フェア''「ラージュって、誰のこと? セイロン、誰かと間...
''セイロン''「いや、そんなことは‥‥‥。~
‥‥‥ふむ。」~
''ミルリーフ''「ここには、ママとミルリーフとセイロンしか...
''セイロン''「ああ、そのようだな。~
分かっていたはずなのだが、何故か、その名を口に...
''フェア''「もう、そんなこと言って、話を逸らそうとしたん...
''セイロン''「はっはっは! そうかもしれぬな。」~
''フェア''「セイロン〜〜ッ!」~
~
''セイロン''「(‥‥‥ラージュ)~
(聞き覚えの無い名だ。それなのに何故、我はその...
(‥‥‥だが、とても懐かしい)~
(気のせいだろうか。我は、とても大切なことを忘...
~
''セイロン''「――!!~
あの笑顔、あの声、あの仕草‥‥‥。~
ラージュ殿。そう、ラージュ殿だ! 我はその名を...
‥‥‥とても、大切な友人の名だ。~
すまぬな、ラージュ殿。~
決して忘れぬよう、この胸に刻み込んだはずだった...
そなたにもらった想いまでも、忘れてしまうとは。~
何故、今まで忘れていたのだ? 元の世界に戻って...
~
だけどさ。やるしかないんだし仕方がないだろ? だったら...
~
''セイロン''「ラージュ殿、アム殿、そしてイスト殿は本当に...
‥‥‥だから、我も思い出せなかったのかもしれぬ。~
初めから、存在していなかったかのように。~
だが‥‥‥我は思い出した。彼らと過ごした、日々のこ...
そして、あの時の後悔を。~
‥‥‥我は、何も出来なかったのだ。大切な友のために...
~
''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''フェア''「ねぇ、セイロン聞いてる?」~
''セイロン''「‥‥‥‥‥‥。」~
''フェア''「セイロン!」~
''セイロン''「‥‥‥むっ?」~
''フェア''「むっ、じゃないわよ。ぼーっとして、どうかした...
‥‥‥なんか、深刻そうな顔してるしさ。」~
''ミルリーフ''「セイロン、元気ない?」~
''セイロン''「‥‥‥店主殿、御子殿。実は、今し方‥‥‥。」~
''フェア''「‥‥‥?」~
''セイロン''「‥‥‥いや、なんでもない。」~
''フェア''「え〜っ! なによ、それ!」~
''セイロン''「あっはっはっ、すまぬ。~
我としたことが、何を言おうとしたのか、忘れてし...
''フェア''「も〜‥‥‥思わせぶりな言い方しないでよね。」~
''セイロン''「(2人が、あの世界のことを覚えておらぬのな...
(辛い思いも、思い出させてしまうだろうからな)」~
~
――だが。我は、我だけは忘れるわけにはいかぬ。~
彼らが生きていた証を、彼らと紡いだ絆を。~
共に過ごした記憶こそが、我とラージュ殿を繋ぐ一筋の道と...
‥‥‥我は決して忘れない。異界の盟友たちの存在を。~
思い返すと、我はそなたに助けてもらってばかりだったな。~
‥‥‥感謝しておるよ。そなたに出会えたこと、友になれたこと...
~
''ラージュ''「オレも、セイロンに会えてよかったよ。オレの...
~
''セイロン''「‥‥‥ッ!?」~
''フェア''「どうしたの? 突然、ふりむいたりして。」~
''セイロン''「いや、今そこに‥‥‥‥‥‥フッ、そうか。~
店主殿、すまないが店の手伝いはまた、次回にとっ...
''フェア''「ハァ!?」~
''セイロン''「大事な用を思い出したのでな。はっはっはっ!」~
''フェア''「こ、こら〜! 逃げるな〜〜ッ!」~
~
――満点の星空の下で、我は想う。~
きっと今頃、そなたも我と同じ星を見上げているのではない...
信じられないだろうが、感じるのだよ。‥‥‥そなたの気配を、...
それは、同じ時では無いのかもしれない。~
互いの時間が重なり合うことは、もう二度と無いのかもしれ...
‥‥‥それでも、よいのだ。~
満点の星空の下で、我は願う。~
そなたのいる世界が、幸せであるようにと――‥‥‥。~
~
END
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