#author("2020-01-15T14:52:20+00:00","","") RIGHT:情報提供(敬称略):M.S.~ #contents ~ **どうして信用してくれたの? [#m5aa1a3b] ''アルカ''「あ、ここにいたのね。 探しちゃったよ。」~ ''ラージュ''「アルカ!? こんなところまで探しにきたのかよ?」~ ''アルカ''「そう。 ちゃんと一回、話しておきたいことがあったから。」~ ~ (アルカ、座る)~ ~ ''アルカ''「ここ、静かだしちょうどよかった。」~ ''ラージュ''「‥‥‥話?」~ ''アルカ''「ラージュ、あらためて、エルストさんを止めてくれてありがとう。~ あと、これからしばらくの間よろしくね。」~ ''ラージュ''「そんな、改まってお礼を言われるほどじゃないよ。こっちこそ、よろしく。」~ ''アルカ''「でも、なんでいきなり現れた私たちのこと、信用してくれたの?」~ ~ ''ラージュ''「(どうしてだったんだろう‥‥‥?)」 - ''アルカが必死だったから。''~ ''ラージュ''「アルカの様子がすごく真剣だったんだ。~ 必死にエルストに呼びかけて、追いかけ続けていたからね。」~ ''アルカ''「‥‥‥うん。 前はね、エルストさんを助けられなかったから。~ だからせめて、この世界では救ってあげたかったんだ。」~ ''ラージュ''「そうだったのか‥‥‥。 エルストが無事でよかったね。」~ ''アルカ''「エルストさんが戻ってきてくれたのは、みんなのおかげだよ。~ 本当にありがとう。」~ ~ CENTER:アルカ、きっと前の世界のことを気にしてたんだな。~ 過ぎてしまったことは変わらないだろうけど、~ つらかったことを繰り返さないで、本当によかったな。 アルカ、きっと前の世界のことを気にしてたんだな。~ 過ぎてしまったことは変わらないだろうけど、~ つらかったことを繰り返さないで、本当によかったな。 - ''フォルスがエルストを心配していたから。''~ ''ラージュ''「フォルスがね、エルストのことを心配してたんだ。」~ ''アルカ''「フォルス‥‥‥もう一人の私のことだね。~ そっか、彼もずっと心配してくれてたんだ。」~ ''ラージュ''「フォルスだけじゃないよ、ペリエやトルクだって一緒だよ。」~ ''アルカ''「フォルスや他の響友<クロス>がいてくれたから、~ エルストさんが戻ってこれたんだね。~ 彼らにもちゃんと、お礼をしないとね。」~ ~ CENTER:アルカ、きっと前の世界のことを気にしてたんだな。~ 過ぎてしまったことは変わらないだろうけど、~ つらかったことを繰り返さないで、本当によかったな。 アルカ、きっと前の世界のことを気にしてたんだな。~ 過ぎてしまったことは変わらないだろうけど、~ つらかったことを繰り返さないで、本当によかったな。 **別時間軸の私 [#uee9087b] ''アルカ''「あれ? ラージュもここで休憩?」~ ''ラージュ''「やあ、アルカ。~ その手に持っているの、ひょっとしてコーヒー?」~ ''アルカ''「そう、ちょっと眠れなくて。」~ ''ラージュ''「でもコーヒー飲んでたら、ますます寝られないんじゃない?」~ ''アルカ''「そうかも‥‥‥。 でもなんとなくコーヒーを淹れちゃった。~ やっぱりフォルスがもう一人の私、なのかなぁ。~ はじめはちょっと身構えちゃったけど。」~ ''ラージュ''「やっぱり、用心はしていたんだね。」~ ''アルカ''「うん。 でもこうして共感する部分はいっぱいあるし。~ ただ私は彼より少し未来から来ているみたいだから。~ あんまりうかつなことは話せないんだけどね。」~ ''ラージュ''「今はフォルスのこと、どんな風に思う?」~ ''アルカ''「どんな風‥‥‥なのかな。」~ ~ ''ラージュ''「たとえばね‥‥‥。」 - ''今でも違和感がある?''~ ''ラージュ''「今もフォルスには、違和感があるのかな?」~ ''アルカ''「う〜ん、そうね。 もう一人の私なのはわかるけど‥‥‥。~ でも私より冷静な感じがするの。 どうしてだろ?」~ ''ラージュ''「オレからみると、そんなに違わないと思うけどね。~ 案外フォルスだって、アルカの方が冷静って思ってるかも知れないよ。」~ ''アルカ''「そんなことないよ。~ これからいろいろと起こることも、~ 彼ならきっと私よりうまく立ち回れるって信じてる。」~ ''ラージュ''「信じられるのって、いいね。~ もう一人の自分って意味だと違和感があっても、~ 自然と信頼できる仲間ってことだよね。」~ ~ - ''今は戦友みたいな感じ?''~ ''ラージュ''「今じゃ、戦友みたいな感じなのかな?」~ ''アルカ''「戦友、か‥‥‥。 うん、そうかも。~ きっと私と彼の立場が逆だったとしたら、彼も同じ行動を取っただろうね。」~ ''ラージュ''「そうなんだね。 お互いに、もう一人の自分ってことか。」 **未来は選択の積み重ね [#n0ad3c6d] ''ラージュ''「やあアルカ、なにか考え事?」~ ''アルカ''「ちょっとね。~ カゲロウ以外にも、自分たちの響友<クロス>があんなにいたなんてね。」~ ''ラージュ''「スピネルなんか、アルカ姉さまって、すごい勢いだよね。」~ ''アルカ''「あはは‥‥‥。 確かにそうだよね。~ でも彼女の知っている私は、彼女を響友に選んでいたんだよね。」~ ''ラージュ''「そうだね。知ってるはずの人に、知らないって言われたらショックだよな。」~ ''アルカ''「スピネルのことだけじゃない。~ もしかしたらペリエだった可能性もあるわけだし。~ 今まで様々なものを選び取ってきたんだなぁって。」~ ''ラージュ''「もしかして、カゲロウ以外がよかったとか考えてる?」~ ''アルカ''「そんなワケないでしょ! もう、冗談はやめてよね。」~ ''ラージュ''「ごめん。~ でもカゲロウ以外と響友になっていた可能性も、あったってことだよね。」~ ''アルカ''「そうね。~ 私たちはいろいろな選択をしてきて、そうして今があるってこと。~ ラージュたちのこの世界でも、選び取る未来がある。~ ひとつひとつ、すべて選択してきた結果だから。~ だから悔いのないようにしないとね。」~ ''ラージュ''「オレもそうなのかな?~ ここに来たみんなと出会って選択してきたけれど、~ それで少しは成長しているのかな?」~ ''アルカ''「当然そうだよ。~ 私は昔のラージュを知らないけど、会った時にはもう仲間となじんでいたよ。」~ ''ラージュ''「オレ、ちゃんとみんなと行動出来てたんだ‥‥‥。」~ ''アルカ''「うん、ずっとひとりぼっちだったなんて嘘みたい。 だから大丈夫。~ ラージュは素敵に成長している。」~ ''ラージュ''「‥‥‥う、うん。」 **大人になっていくこと [#h2e74674] ''アルカ''「ラージュ、またここにいたんだね。」~ ~ (アルカ、座る)~ ~ ''ラージュ''「うん‥‥‥。 アルカ、ちょっと相談してもいい?」~ ''アルカ''「ええ、もちろん。 やっぱり色々と不安?」~ ''ラージュ''「不安‥‥‥。 うん、不安なんだ。~ アルカが前に言ってたよね? 今は自分たちが選択してきた結果だって。」~ ''アルカ''「もし『響友<クロス>』がカゲロウじゃなかったらって、~ 可能性の話をしたわね。」~ ''ラージュ''「オレ、そのあといろいろ考えたんだ。~ もし、みんなと出会わなかったら? 出会っても仲間にならなかったら?~ それに、今倒そうとしている敵のことも。~ みんなと一緒じゃなかったら戦うのは無理だった。」~ ''アルカ''「ラージュ‥‥‥。」~ ''ラージュ''「でも戦って、勝ったとしてどうなるのか? そのときなにを選択するのか?~ すごく不安で、考えていると落ち着かない。」~ ''アルカ''「まってラージュ!~ 私はそのとき、選び取る先に未来があるとも言ったよ。~ そこで終わりじゃない。 そこから先もまだまだ続く。」~ ''ラージュ''「そうなのかな‥‥‥。」~ ''アルカ''「もちろんだよ。~ 遠く離れても私たちは貴方を信じてるし、貴方はひとりじゃない。~ もっと周りを頼ればいいんだよ。」~ ''ラージュ''「頼ってもいいのかな‥‥‥。 迷惑じゃなければいいけど。」~ ''アルカ''「そんなこと絶対にない。 私は貴方が頼ってくれるのがうれしい。~ 不安なときに、私を相談相手に選んでくれてうれしい。」~ ''ラージュ''「アルカ‥‥‥、ありがとう。」~ ''アルカ''「ラージュ、貴方は弟みたいなものだから。~ だから離ればなれになるまでは、側にいてあげるから安心して。」~ ''ラージュ''「弟、かぁ‥‥‥。 うれしいけど、なんだか寂しい気もするな。」~ ''アルカ''「ふふっ、一人前だって認めて欲しかったら頑張るしかないよ。」~ ''ラージュ''「だけど、それでも‥‥‥。 やっぱり不安はあるよ‥‥‥。」~ ''アルカ''「もう、男の子でしょ、しゃきっとする!~ それとも‥‥‥私の応援じゃ頼り無い?」~ ''ラージュ''「いっいや、そんなことないよ!~ アルカに応援してもらえて、嬉しいと思ってる。」~ ''アルカ''「じゃあ、頑張る! 不安なんて、吹き飛ばしていこう?」~ ''ラージュ''「うん‥‥‥そうだよな‥‥‥!」~ ''アルカ''「そうだよ。私もそうやってきたんだし。~ そうすれば今はわからないことも、わかるようになる。~ それが、大人になっていくことなんだよ。」~ ''ラージュ''「うん、そうなんだね。」~ ~ CENTER:大人になる、か‥‥‥。~ そのときは、このもやもやした気持ちも、もっとうまくアルカに伝えられるのかな‥‥‥? 大人になる、か‥‥‥。~ そのときは、このもやもやした気持ちも、もっとうまくアルカに伝えられるのかな‥‥‥? **最終決戦 [#ibf9665a] (最終戦前)~ ''ラージュ''「オレたちは、消えることにもう怯えたりなんかしない。~ たとえ消えてしまっても、みんなの魂に生き続ける!~ 魂に強く刻まれた想いはけして消えない。 オレはそれを信じる!!」~ ''アルカ''「大切な仲間を、世界を、あなたの餌になんてさせない。~ 私の剣のサビにしてあげるわ。」~ ~ (最終戦後)~ ''アルカ''「私はここで、果たせなかった望みを果たせた‥‥‥。~ あなたのおかげよ、本当にありがとう。~ 私、みんなのことは忘れない。~ 魂に刻んで、絶対に忘れたりなんかしないわ!」~ ''ラージュ''「オレだって‥‥‥! 絶対に‥‥忘れるもんかっ!」~ ~ ''ラージュ''「ありがとう‥‥‥。」 **エンディング「冥土に立ち向かう者たち」 [#q5ccbc0d] 【森】~ ~ ''カゲロウ''「‥‥‥うっひゃ〜! あっちにもこっちにも、冥土獣がうようよしてるな!」~ ''アルカ''「冥土獣が、新たに出現したって話は、本当だったみたいね。」~ ''エルスト''「ああ、冥土に汚染される前に、奴らを倒さないとな。」~ ''カゲロウ''「でも、あれだけの数を相手に、おいらたちだけで大丈夫かよ?」~ ''アルカ''「『警察騎士団<シルヴァリエ>』にも連絡はいってるはずだよ。~ アベルトとイェンファも、すぐに来てくれるとは思うんだけど。~ ‥‥‥エルストさん、どうします?」~ ''エルスト''「彼らを待ってる時間はなさそうだ。~ 被害が大きくなる前に、俺たちで対処するしかない。」~ ''カゲロウ''「よっしゃ! いっちょ、やってやるか〜!!」~ ''アルカ''「カゲロウ、いきなり突っ込んだりしないでよ?~ 新たな冥土獣ってことしか、情報が無いんだから慎重にいかないと!」~ ''カゲロウ''「わかってるよ、姉貴! 心配、いらないって!!」~ ''アルカ''「も〜、そういうところが心配なのに。」~ ''エルスト''「ははっ! 君たち2人を見てると、本当の姉弟みたいで和むなぁ。」~ ''アルカ''「エルストさんも、和んでる場合じゃないですよっ!~ 2人とも、緊張感を持ちなさいっ!」~ ''カゲロウ''「へいへい!」~ ''エルスト''「ふふっ、了解。」~ ''アルカ''「出来るだけ、あいつらを市街地から引き離しましょう。~ まずは私が囮になって、あいつらを引き寄せるから。」~ ''カゲロウ''「分かった! 姉貴も無茶するなよ。」~ ''アルカ''「エルストさんと、カゲロウもね!~ それに、ラージュも気をつけて―――って、あれ?」~ ''カゲロウ''「ん? ラージュ? そんなヤツいたか?」~ ''アルカ''「えぇっと‥‥‥いない、わよね?~ それに、ラージュって‥‥‥誰の名前だっけ?」~ ''カゲロウ''「おいおい、姉貴!! これから突入って時に、なに寝ぼけてんだよ!」~ ''アルカ''「う、うん‥‥‥。でも、つい口から出ちゃったの。~ ラージュも気をつけてねって‥‥‥。」~ ~ ''アルカ''「(なんだろう、この感じ‥‥‥。私、その人と一緒に戦っていたような気がする)~ (互いの背中を預けられるぐらい、信用した誰かと)~ (ラージュ‥‥‥)~ (この響き、覚えてる)~ (私は、私は‥‥‥『彼』のことを、絶対に忘れないって誓った!)」~ ~ ''アルカ''「――!!!~ 思い出した‥‥‥。~ 思い出したよ、ラージュ!~ 彼のことも、あの世界のことも。そこで起きたすべての出来事も、全部!~ どうして、忘れていたんだろう。~ 彼は私にとって、とても大切な人だったのに。~ リィンバウムに戻ってきた時に、あの世界に関することすべて、~ 削除されてしまったのかもしれない。~ そうだとしても、私は自分で自分が許せない。~ 彼を、彼と過ごした時間を、忘れてしまうなんて。」~ ~ CENTER:弟、かぁ‥‥‥。 うれしいけど、なんだか寂しい気もするな。 弟、かぁ‥‥‥。 うれしいけど、なんだか寂しい気もするな。 ~ ''アルカ''「遠ざかっていくあなたの笑顔を、私は見ていることしか出来なかった。~ こんな気持ちのまま、さよならなんてイヤだよ。~ あなたも、そうでしょう? ラージュ‥‥‥。~ 本当に、もう二度と会えないの?~ ‥‥‥そんなの、イヤだよ。」~ ~ ''カゲロウ''「あ、姉貴! どうしたんだよっ!?」~ ''アルカ''「‥‥‥えっ? あっ!~ (いつの間にか、涙が‥‥‥)」~ ''カゲロウ''「どこか痛いのか!? 具合でも悪いのか!?」~ ''アルカ''「違う、違うっ! 大丈夫、なんでもないから。」~ ''カゲロウ''「だけどよぉ‥‥‥。」~ ''アルカ''「ちょっと思い出してたの。大切な友達のこと。」~ ''カゲロウ''「大切な、友達?」~ ''アルカ''「うん‥‥‥。~ (きっと、カゲロウもエルストさんも、あの世界のことは覚えていない)~ (どうして、私だけが思い出せたのかは分からないけど‥‥‥)」~ ~ CENTER:――私は、信じてる。~ いつだって、想いの強さが運命を変えてきたんだもの。~ 私が想い続ける限り、彼らとの絆が消えることはない。~ 信じていればきっと、あの優しい笑顔に会える。~ だって、この世界はずっとずっと昔から‥‥‥。~ 友達という名の「絆」で結ばれているのだから。~ ねぇ、ラージュ。私、あなたに伝えてないことがたくさんあるの。~ だから、さよならは言わない。いつかきっとまた、会えると信じているから。 ――私は、信じてる。~ いつだって、想いの強さが運命を変えてきたんだもの。~ 私が想い続ける限り、彼らとの絆が消えることはない。~ 信じていればきっと、あの優しい笑顔に会える。~ だって、この世界はずっとずっと昔から‥‥‥。~ 友達という名の「絆」で結ばれているのだから。~ ねぇ、ラージュ。私、あなたに伝えてないことがたくさんあるの。~ だから、さよならは言わない。いつかきっとまた、会えると信じているから。 ~ ''ラージュ''「ああ、オレも信じてる! だから、その時まで‥‥‥またな、アルカ!」~ ~ ''アルカ''「‥‥‥ラージュ!?」~ ''カゲロウ''「えっ!? な、なんだ???」~ ''アルカ''「(‥‥‥いない。今、確かに声が聞こえたのに)」~ ''カゲロウ''「姉貴、マジで大丈夫なのか?」~ ''アルカ''「ああ、うん! 平気、平気! あはははっ‥‥‥。」~ ''カゲロウ''「メチャクチャ、あやしいんだけどなぁ。」~ ''アルカ''「(私の声、ラージュの所まで届いたのかな?)」~ ''エルスト''「アルカちゃん。」~ ''アルカ''「エルストさん‥‥‥。」~ ''エルスト''「大丈夫さ。きっと、ね。」~ ''アルカ''「‥‥‥!!~ (エルストさん、もしかして‥‥‥)~ ‥‥‥はい、きっとそうですよね!」~ ''カゲロウ''「???」~ ~ CENTER:見上げた空は、どこまでも青く澄み渡っていた。~ この空のずっとずっと先には、あなたがいるような気がして‥‥‥。~ 空に伸ばした手を、キュッと強く握りしめる。~ ‥‥‥私の、特別で大切な友達。~ あなたにもらった想い、もう決して忘れたりしない。~ 2人の絆が、ずっとずっと続いていくように――‥‥‥。~ 見上げた空は、どこまでも青く澄み渡っていた。~ この空のずっとずっと先には、あなたがいるような気がして‥‥‥。~ 空に伸ばした手を、キュッと強く握りしめる。~ ‥‥‥私の、特別で大切な友達。~ あなたにもらった想い、もう決して忘れたりしない。~ 2人の絆が、ずっとずっと続いていくように――‥‥‥。~ ~ END