**第1話 [#cadbbff1] フォルス「ふう‥‥‥ やっぱり、ここは落ち着くなあ」~ カゲロウ「あっ、兄貴、やっぱりここにいたのか!~ 屋根の上は危ないから登るなって 大家に言われてるんじゃなかったのかよ」~ フォルス「カゲロウも来なよ、風が気持ちいいぞ」~ カゲロウ「またそうやっておいらをを共犯者にしようとするんだから‥‥‥」~ ~ カゲロウ「ひゃー! うん、いい風吹いてるな、今日は!」~ フォルス「だろ?」~ カゲロウ「あぁー、なんだかこうしてると 初めてここに来た日を思い出すなあ~ 兄貴は覚えてるか? いきなりここに登って大家にしこたま怒られたの」~ フォルス「あー、そんなこともあったねえ‥‥‥」~ カゲロウ「あれから何年も経ったのに、兄貴は、全然変わってない」~ フォルス「カゲロウは、変わったよな 初めて会った時にはあんなに小さかったのに」~ カゲロウ「へへっ、いつまでもガキのままじゃいられねえからな~ けど、中身はなんも変わってねえよ あのころからずっと、おいらはおいらのままだ」~ けど、中身はなんも変わってねえよ あのころからずっと、おいらはおいらのままだ~ たぶん、これからも変わらない」~ フォルス「二人そろって成長がないっていうのは、考えものではあるけれど~ ま、いいか じゃあ、これからもよろしく、カゲロウ」~ カゲロウ「なんだよ、急に?」~ フォルス「いやあ、ほら、なんとなく 明日から大変なことになりそうな予感がして」~ カゲロウ「ああ、そういやそうか いろいろあったもんな、今日は」~ フォルス「何があっても、力をあわせて乗り切っていこうな?」~ カゲロウ「おう、任せとけって!~ これから何がどうなろうと、兄貴の隣にはおいらがいるからな!」~ フォルス「おう、信頼してる」~ カゲロウ「さてと、それじゃおいらは先に寝るぜ~ 兄貴も、大家に見つかる前に降りてこいよ」~ そんじゃ、おやすみ また明日!」~ ~ おやすみ‥‥‥~ そして、また明日‥‥‥~ **第2話 [#u01816ca] フォルス「今日は残念だったね 記憶、取り戻せたかもしれなかったのに」~ カゲロウ「‥‥‥別にいいって そんなに期待してなかったんだ~ これまでにも、いろいろ試しはしたんだぜ?~ シルターンのことについて書かれた書物をいろいろ読み漁ってみたり~ 向こうの出身だってやつらに いろいろ話を聞いてみたりさ」~ フォルス「うん、知ってる がんばってたよね」~ カゲロウ「そんでも、何も思い出せねえんだよな どんだけ強情なんだよ、おいらの記憶~ まあ、そんなだから、今回もやっぱダメなんじゃないかって気はしてた~ あ、でも、勘違いすんなよ? おいら、別に落ち込んでたりしないぞ?~ 別に記憶がなくたって、今の生活が変わるわけじゃない~ ここにおいらがいて、兄貴がいる それが一番大事なことなんだしな」~ フォルス「うん‥‥‥」~ ~ 強がりを言ってはいるけど、やっぱり気にしてるんだろうな‥‥‥~ **第3話 [#td87cf9c] カゲロウ「あ、あのさ、兄貴 おいら、思うんだけどさ~ 誰だって、たまには失敗することくらい 当たり前にあるんじゃねーかって」~ フォルス「‥‥‥なんだ、いきなり」~ カゲロウ「いや、だからさ、ほら、カンペキなヤツなんていないって話しだよ~ いつもすげぇ兄貴のことなんだから、今日の失敗くらい数に入んねぇって」~ フォルス「‥‥‥ああ、なるほど 励ましてくれてるのか~ 大丈夫だよ、そんなにへこんでるわけじゃないから」~ カゲロウ「‥‥‥本当かよ?」~ フォルス「本当さ ちょっと考え事はしてたけどね~ 僕はまだ未熟者なんだなあとか、まだまだエルストさんは遠いなあとか」~ カゲロウ「‥‥‥おいらも、ガウディみてーには まだまだなれそうにねえよ」~ フォルス「お互い、高い目標を持っちゃったものだよね」~ カゲロウ「でも、諦めねえんだろ?」~ フォルス「ああ、もちろんさ 明日からまた、がんばらないとね~ 今日の失敗を取り戻して、すぐその先を目指さないと~ 一緒にがんばろうな、カゲロウ」~ カゲロウ「‥‥‥応!」~ ~ ‥‥‥そうだ、落ち込んでるヒマなんてない 僕はカゲロウと一緒に頑張るんだ‥‥‥!~ **第4話 [#e66dbfb0] カゲロウ「ったく、のんびりできるかと思ったら、めちゃくちゃな一日だったぜ~ 学園に呼ばれたかと思ったら、カラクリどもと戦うはめになるとか~ 書類仕事を抱えて泣いてたのが 遠い昔のことみてえだよ‥‥‥」~ フォルス「まったくだよ、今日はほんとに疲れた~ だいたい、召喚師の仕事っていうのは 異種族間のもめごとを解決するとか予防することで~ ああいった連中と正面からやりあうのは 専門外だと思うんだけどなあ‥‥‥」~ カゲロウ「まあでも‥‥‥もめごとってのは、たいてい大げさに発展するもんだったりするし~ 任務のえり好みなんてしてたら エルスト達には追いつけねえよな~ だって、あの日エルストたちは、何も言わず おいらたちを助けてくれたんだしさ」~ フォルス「ああ‥‥‥うん、確かにそうだ~ 戦いが向こうからやってくるんだから、愚痴を言ってても仕方がないよな」~ カゲロウ「おう!」~ フォルス「よし! そうと決まったら、明日のために寝るぞ~ 明日もきっと、忙しい一日になる! そんな気がする!」~ カゲロウ「げっ、やめてくれよ、兄貴のそういう勘、けっこうよく当たるんだからよ!?」~ ~ ‥‥‥こんなことを言っておいてなんだけど、どうか明日が穏やかな一日でありますように~ **第5話 [#g842dcbd] カゲロウ「今日は驚いたな まさかルエリィが誓約するとはさ」~ フォルス「まったくだよ、あの子はつくづく、僕らの予想を裏切ってくれるなあ~ うかうかしてたら、すぐに追い抜かれるかもしれないね?」~ カゲロウ「へん、そうそう簡単に追いつかれてたまるかよ!~ おいらたちだって、まだまだ目指すところは先にあるんだ!~ ルエリィがおいらたちに追いつく前に、おいらたちがエルストさんたちに追いつくさ~ どっちにしても、まだまだ先の話ってこった!」~ フォルス「はは、気の長い話になりそうだな‥‥‥」~ ~ でも今は、ルエリィの誓約を、素直に祝福してあげよう‥‥‥~ **第6話 [#nec6606d] カゲロウ「さっき部屋の片づけしてたら、絵を見つけたぜ 兄貴が、学園時代に描いたやつ」~ フォルス「‥‥‥え?」~ カゲロウ「あの時はびっくりしたよなあ?~ 兄貴って昔から器用っつうか、大抵のことならなんでもそつなくこなしちゃうじゃんか~ まさか、その兄貴が、画筆を持ったとたんに あんな‥‥‥なあ?」~ フォルス「あー、あはは‥‥‥ 恥ずかしい思い出だよ‥‥‥」~ カゲロウ「モデルになってた子が大爆笑しちゃって デッサンは中断になっちゃうし~ 美術の先生が、目を丸くしたままかたまっちまったりさ」~ フォルス「そんなこともあったね‥‥‥~ あれ? でも確かあの時、カゲロウも 隣で絵を描いてなかったっけ?~ 君のほうは、スジがいいっていろんな人に褒められてたよね~ 美術部に誘われたりもしてたと思うけど、結局あの後どうしたの?」~ カゲロウ「ああー、あれな‥‥‥ ちょっとだけ、描いてみたぜ~ けど、気が乗らなくなったんで、すぐにやめた」~ フォルス「なんで? 才能あったのに」~ カゲロウ「兄貴がいなかったからなぁ‥‥‥~ おいらの趣味ってさ、たいてい、兄貴が楽しそうにしてるのを見て、~ 自分もやってみようと思って手を出すんだよな~ だから、兄貴がハマらなかった分野だと、楽しみ方がいまいちピンとこねえんだよ」~ フォルス「うーん‥‥‥たまには、自分で趣味を探してみてもいいんじゃないか?」~ カゲロウ「そのうち、気が向いたらそうするさ 今のおいらには、これがいいんだ」~ ~ うーん、カゲロウを無趣味にしないためにも、また何か始めてみたほうがいいのかな?~ **第7話 [#rc683c89] カゲロウ「ギフトとエルストさんのことは、兄貴がよく話してくれたから~ 一方的にだけど、よく知ってるような気がしてたんだ~ だから、今日、ギフトが初対面のおいらに 友人として接してくれた時は、嬉しかった~ ‥‥‥嬉しかった、んだ」~ フォルス「彼に、何があったんだろう?」~ カゲロウ「たぶんだけどさ、あいつのことを一番よく知ってるのは兄貴だぜ?~ その兄貴に分からないってんなら、この世界の誰にも分からねえさ」~ フォルス「そう‥‥‥だよね~ 次に会った時に、本人に問いただすしかないか」~ カゲロウ「ああ、また会おうみてえなことを言ってたからな~ 次こそとっつかまえて、何考えてんのか、全部聞き出そうぜ」~ フォルス「ああ、そうだな」~ ~ きっと、それが、彼の友達として 僕がするべきことなんだな‥‥‥~ **第8話 [#v90b74fd] カゲロウ「‥‥‥」~ フォルス「‥‥‥」~ カゲロウ「なんつーか‥‥‥ 色々ありすぎだろ、今日は」~ フォルス「ああ‥‥‥ 頭の中が、ぐるぐるしているよ~ まさか、本当に学園が襲撃を受けるなんて‥‥‥」~ カゲロウ「とんでもねーことを 実際にやっちまうよな、あの連中は~ 戦力があって、それを活かす度胸もある 敵に回したくねー連中だよな、敵だけど~ ‥‥‥あと、ギフトのヤツが‥‥‥」~ フォルス「そうだね 彼も、恐ろしい敵の一人だ」~ カゲロウ「おいらたちで、止められると思うか?」~ フォルス「僕たちが、止めるんだ それだけだよ」~ カゲロウ「‥‥‥ああ、そうだな!」~ ~ 止めないと、いけないんだ‥‥‥!~ **第9話 [#ifad4a2b] カゲロウ「ずっと、怖かったんだ‥‥‥~ ずっと、おいらに冥土のかけらがついていたとしたら~ そいつが、気づかない間に育っていたら‥‥‥って~ おいら一人がどうにかなるなら、まだいいさ けど、兄貴まで巻き込むのは、絶対に嫌だ~ それでも、兄貴から離れるのも 同じくらい嫌だったから、~ おいら、どうしたらいいか わからなくて‥‥‥」~ フォルス「巻き込んでくれればいい~ たとえ何があっても、君と僕はずっと一緒だ~ 少なくとも僕は、そのつもりでいるぞ」~ カゲロウ「‥‥‥それがわかってるから、嫌なんじゃないか~ 兄貴に甘えてるみたいで、なんていうか、対等になれてない感じでさ」~ フォルス「そんなこと、気にしなくていいのに」~ カゲロウ「気にさせてくれよ 出来の悪い弟なりの、意地なんだ」~ ~ 意地っ張りなところとか、いつものカゲロウに戻ったみたいだな‥‥‥~ **第10話 [#lb06cee1] フォルス「エルストさんの言ってたことを、ずっと考えているんだ」~ カゲロウ「‥‥‥信じて戦う、っていうのが もしかしたら間違いなのかもしれないって?」~ フォルス「うん、それだよ~ 考えれば考えるほど、エルストさんの言ってたこと、間違ってない気がするんだ」~ カゲロウ「そうだよな‥‥‥確かに、言われた通りだよ~ 自分でやるべきことに、勝手に他人を巻き込んでるわけだし~ 褒められたことじゃないのかもしれねえよな‥‥‥」~ フォルス「でしょ? ‥‥‥だいたい、あのエルストさんが言ってることなんだよ~ これまでずっと、あの人の言葉に支えられて生きてきたんだ~ そんな僕たちに、エルストさんの言葉を 疑えるはずがないんだよな‥‥‥」~ カゲロウ「兄貴‥‥‥」~ フォルス「‥‥‥ごめんね、カゲロウ~ 信じてくれって、最後まで胸を張って言える僕じゃなくてさ‥‥‥」~ カゲロウ「待ってくれよ、兄貴 おいらは、納得してないぜ」~ フォルス「‥‥‥えっ?」~ カゲロウ「エルストさんの言ったことは、そりゃ正しいのかもしんないけどさ~ どうしても、おいら、兄貴のことを信じるの、やめられそうにないんだ~ 一緒にいれば大丈夫だって、そう思っちゃうんだよ」~ フォルス「カゲロウ‥‥‥」~ カゲロウ「だってさ、これまでずっと、そうだっただろ!~ おいらは兄貴を信じてきたし、兄貴だっておいらを信じてくれた、~ それでこれまで、やってこれたじゃないか!~ いまさらそれはダメだなんて言われても 納得できねえよ!」~ フォルス「‥‥‥そうか そう、だよな‥‥‥」~ ~ エルストさんに何を言われても、僕たちは今さら、信じてることをやめられない~ ありがとう、カゲロウ 君のおかげで、大切なことを思い出せたよ~ **第11話 [#s013c370] カゲロウ「これで、ブラッテルンの連中との戦いもひと段落、か~ やったな、兄貴 おいらたちの勝利だ!」~ フォルス「喜ぶのは、まだ早いよ 僕たちの任務は、敵を倒すことじゃない~ この街の人々を守ることを通して、世界と世界をつなぐことだ~ みんなを脅かすものをすべて除いて、初めて僕たちの勝ちになるんだ」~ カゲロウ「う‥‥‥ そう考えると、けっこう厳しいな‥‥‥」~ フォルス「勝ってカブトの緒を締めよ‥‥‥ シルターンのことわざだっけか~ つまり、そういうことさ 僕たちの戦いは、まだこれからだ!」~ カゲロウ「‥‥‥へへっ なんか、すっかりいつもの兄貴だな」~ ~ そうだね‥‥‥ ずっと、一緒に‥‥‥~ **第12話 [#q3c22d81] カゲロウ「結局、おいらは何者なんだろうな~ シルターンの妖怪だ、ってことでこれまでやってきたけどさ~ あの荒野がシルターンじゃなくて、あの光の玉がおいらの正体だってなると~ ‥‥‥つまり、おいらって何なんだ?」~ フォルス「やっぱり、不安かい?」~ カゲロウ「そりゃ、まあ‥‥‥平気だって言ったらウソになるけどさ~ そんなに驚いてはねえんだよ 不思議なことに~ これまでこの街でいくら調べても おいらのことは何もわかんなかったし、~ 思い出の杖に頼った時にすら 何も思い出せなかったわけだしな~ だから、おいら自身で気づかないうちに、覚悟は決めてたんだと思うよ~ おいらはシルターンの鬼なんかじゃなくて、もっとわけのわかんないナニカなんだって」~ フォルス「驚いてない理由はそれだけじゃないだろ?~ カゲロウがどこの誰だったとしても、今ここにいるカゲロウは、何も変わらない~ 僕の、何よりも大切な弟で、大切な響友だ~ 君自身がそれをちゃんとわかっているから、自分を見失うことがない~ ‥‥‥そうだろ?」~ カゲロウ「まあ、そうだな‥‥‥ たぶん、そういうことだよ~ はは、おいら、兄貴の響友になれて ほんとによかったよ~ ‥‥‥~ でもよ、こういう時に、おいらの頭を子どもみたいになでるのだけは、やめてくれ」~ フォルス「あ、悪い悪い 元気出してほしいなと思って、つい」~ ~ カゲロウ‥‥‥ 強がってるけど、やっぱり辛そうだな‥‥‥~ **第14話 [#def8e134] ''好感度差分なし''~ カゲロウ「長い戦いだったけど、もうすぐ、全部終わるんだな」~ フォルス「ああ‥‥‥ ようやく、だな~ 僕たちが子どものころには、もう始まっていた戦い~ 僕たちが出会ったことも、この戦いの一部だった‥‥‥んだっけ」~ カゲロウ「それを言うなら、おいらが生まれたこと自体が、だな~ おいらがおいらとして生きてきたこれまでの時間のすべては、この戦いの一環だったんだ」~ フォルス「‥‥‥悔しいとか、思ってる?」~ カゲロウ「ちょいとだけ、な でも、心配はいらねえよ~ おいらを信じてくれている連中がいる限り、ちゃんと最後まで勇気をもって戦うさ」~ フォルス「‥‥‥ありがとう」~ カゲロウ「よせよ、てれくさいぜ」~ フォルス「君が君として生きてきたこれまでの時間のすべてが、戦いの一環だった‥‥‥なら、~ それが終わった時 君はどうする‥‥‥?」~ カゲロウ「‥‥‥どういうことだよ?」~ フォルス「出会ったときからずっと 変わらない気持ちがあるんだ~ 僕は君のことが大切で、これからも一緒にいたいと思ってる~ カゲロウ、君はどうなんだい?」~ カゲロウ「‥‥‥ひでえな、おいらがどう答えるか とっくに分かってんだろ?」~ フォルス「それでも、君の言葉でききたいんだ」~ カゲロウ「‥‥‥ああもう、おれだって好きだよ! そんなの決まってんだろ!~ 気持ちは一緒だ! ずっと一緒にいたいと思ってる~ ‥‥‥ああ、ちくしょう これで満足か?」~ フォルス「うん‥‥‥~ ありがとう、カゲロウ」~ ~ 明日は、最後の決戦だ 何が起こるのか、想像もつかないけど‥‥‥~ 僕たちは、必ず生きて帰ってくる そして、一緒にこれからの時間を過ごすんだ~ 僕ら二人の心が響き合い選び取った、他の誰の仕組んだものでもない、~ そういう二人の時間を‥‥‥~ **ED [#ad79c514] ''会話部分共通''~ フォルス「ふあ‥‥‥あふう こんな時間に起きると、さすがに眠いな~ 二度寝したいところだけど、そういうわけにもいかないかな~ ちょっと、目を覚ましに行ってくるか‥‥‥」~ ~ フォルス「おおー‥‥‥ こりゃ、いい眺めだ~ そういえば、こんな時間にここに来たことはなかったっけな~ ちょっと時間を変えただけなのに、見慣れた光景が、新鮮に見えるなぁ‥‥‥」~ カゲロウ「ふわあ‥‥‥ って、何やってんだよ兄貴~ もうすぐ、出発の時間だぜ? 早く準備しねぇと、列車に遅れちまう」~ フォルス「そんなに焦るなって、この街との名残を惜しんでるんだ~ ほら、カゲロウもこっちに来なよ いい眺めだぞ?」~ カゲロウ「のんきだな、まったく これから遠くに行くってのに~ ライル機関、つったっけ おいらたちを呼んでるってところは~ これからの冥土の脅威に対抗するため、おいらたちの力を分析したいとか‥‥‥」~ フォルス「ああ、ロレイラル出身の研究者が 大勢いるところらしいね~ きっと、僕たちの力から、何かをつかんでくれるよ」~ カゲロウ「その後も、あちこちの組織を回んなきゃいけないんだよな?」~ フォルス「僕たちの力を必要としている人たちがいるなら 行かないわけにはいかないからね~ しばらくセイヴァールには戻ってこられそうにないかもな~ だからこそ、今のうちに、この光景を思い切り眼に焼き付けておきたくてさ」~ カゲロウ「その気持ちは、とてもよくわかるんだけどよ‥‥‥」~ フォルス「不安かい?」~ カゲロウ「‥‥‥まあ、な おいらはこの街の外を、よく知らねえから~ 兄貴と一緒でもなけりゃ 外に出る気にはならなかったさ」~ フォルス「頼りないこと言うなあ」~ カゲロウ「一緒だったら、どこにだって行くってことだぞ?」~ フォルス「それは頼もしい‥‥‥のかな?~ 頼もしいといえば、カゲロウ、ずいぶんと背が伸びたよな」~ カゲロウ「へへ、気づかなかったのか? もうすぐ、兄貴の背に追いつくぜ」~ フォルス「あはは、なんだかそのまま追い越されそうだ」~ カゲロウ「え? あー‥‥‥ 確かにそうだな」~ フォルス「ん、どうかしたか?」~ カゲロウ「いや、なんていうか、おいらが兄貴を追い越すってのが想像できなくてさ~ 追いつくところまでなら、さんざん夢にみたんだけどよ」~ フォルス「‥‥‥もしかしたら、誰かを追い越すってのは 意識してやることじゃないのかもな~ 自分では一生懸命前に進んでいただけのつもりだったのに、~ 気づいたら目標にしていた誰かを追い抜いていた‥‥‥~ 逆に、追い抜くことばかり考えていたら、いつまでも背中しか見えないのかもしれない」~ カゲロウ「‥‥‥兄貴‥‥‥」~ フォルス「でも、君の場合は、まだ早いね まだ僕は、カゲロウに負ける気はないから」~ カゲロウ「言ったな! そんなら、勝負しようじゃねえか!~ 駅までどっちが先に着くか、競争だ!」~ フォルス「よし、その勝負、受けて立つ!」~ ~ ''好感度4・5モノローグ''~ おいらがここにいるということ 生きて、考えて、動いているということ~ すべての始まりは、兄貴との出会いだった~ 名前も、姿も、生命も、すべて兄貴にもらった~ あこがれて追いかけてきた だけど、それだけじゃ終わらないぜ~ 肩を並べて歩いていける 立派な男になってやる~ そう思えることが、とてもうれしいんだ~ 兄貴‥‥‥ おいらと出会ってくれて、ありがとう~ おいらを形作ってくれて、ありがとう おいらと一緒に歩んでくれて、ありがとう~ ~ 「おいらと響き合ってくれて、今、この時をくれて、本当に、ありがとう~ 負けねーぜ!」~ ~ ---- ''好感度3モノローグ''~ おいらがここにいるということ 生きて、考えて、動いているということ~ すべての始まりは、兄貴との出会いだった~ 名前も、姿も、生命も、すべて兄貴にもらった~ もし、あの日あの時、兄貴が おいらという存在の前に落ちてこなかったら~ おいらはいまごろ、何になっていたんだ?~ 考えれば考えるほど、怖くなってしまう そして同時に、感謝の気持ちで満たされていく~ 兄貴‥‥‥ おいらと出会ってくれて、ありがとう~ おいらを形作ってくれて、ありがとう おいらと一緒に歩んでくれて、ありがとう~ ~ 「おいらと響き合ってくれて、今、この時をくれて、本当に、ありがとう」~ ~